23・12 656

 今年は関東大震災から一〇〇年。東京、横浜などで関連展示をしている。その当時の新聞が張り出しており読んでみると、横浜市根岸刑務所では受刑者に市内の警備にあたらせたという。内容としては暴漢からの保護、家屋の下敷きになっている人の救出。もちろん囚人は自分のいる住所を刑務所に知らせている。解放された人数は千人余り。そのうち九〇〇人が刑務所に返ってきた。返ってきた人は再び市中の警備にあたった。刑事収容施設法には「応急用務」があるのだが、これは施設内で災害訓練を受け、地震があったときに施設内の災害などにあたらせるのだろう。天災は人手が必要なのだから、何かあったときは獄外で活躍させてもいいと思う。大正時代の人たちは、おおらかであったのだろう。再犯防止と言いながら、結局は何かあったときは支援をさせない権力ってなんだろう。(川口)

23・11 655 

 新聞投書欄に一五年以上前、ヨルダン川西岸を訪れた人の報告が載った。「学校や職場に行くにも毎朝検問所を通らなければならない。しかも係官の気分次第で通行を許可されないことがある。町に相談なく外国人の分譲住宅が造られ、そこに入居した見ず知らずの人から石を投げられたり、実弾を発砲されたり。畑が勝手に没収されて巨大な壁が造られ、徒歩圏内の学校や職場、病院に行くために何時間もかかる。警察や行政に訴えても何もしてくれない。こんな状態が半世紀以上続いている」。ガザの一〇月七日の決起は、このようなイスラエルのパレスチナ人抹殺政策に対するやむに已まれぬ決起だ。イスラエルの背後にはアメリカがある。アメリカが世界に君臨するために一九四五年八月、広島・長崎への原爆投下と、中東の「イスラエル」建国があった。労働者階級はそれを許さないのだ。(S)

23・10 654

 懲役刑と禁固刑が廃止され、拘禁刑に一本化されるという。建前は立派だがその中身が伝わってこない。罪を犯した者を社会から隔離・拘禁し、「社会の安全安心を守る」という考え方自体がおかしい。貧困や差別や児童虐待など社会の矛盾が拡大し深刻化しているのに、「自己責任論」の押し付けや矯正指導で人を改善させるという発想は、反発しか生まない。看守による暴行・暴言・虐待がくりかえされ、獄中者は怒りを抱えながら我慢している。病気になっても看守の言うことを聞かないと医者の診察も受けられない。獄中医療が監獄支配の道具になっている。治療を受けられないままに病気が重篤化し、死亡した人も多い。拘禁刑になると作業報奨金がどうなるのかも不明だ。「社会内処遇」を掲げるなら、まずは死刑廃止と終身刑化している無期刑をなくすべきだと思う。(K)

23・9 653

 この星がいよいよ怒りを表出し始めたようだ。人が山野を切り刻み、汚染物質を撒き散らし、さらに核兵器で、木っ端微塵にされてはたまらないと、この星も立ち上がった。
 誰にもわかる天変地異である。いきとしいきているものたちが大地とともに大自然とともにゴロゴロゴロ。古今東西の欲の皮が突っ張った輩の行いはどこも同じ。自分の周囲しか見ないから、全体がおかしくなってきてもそれが分からずにいる。ゴロゴロゴロとみんなして転がることの安心感というごまかし。
 人殺しのための文明はいらない。殺しの文明は、憎しみと哀しみを生み出すだけだ。ウクライナで、パレスチナで戦火が続く中、新橋の飲み屋ではそんな話題になることもなく、次の肴は何にするかで論争している。この星がどうなろうとカンケーない人のなんと多きかな。この国のいい加減さを笑う。(蝦蛄)

23・8 652

 獄中から集団での行進の件について手紙をもらった。私は軍隊と関係があると思っていたが、その後図書館に行き、集団での行進の意味を知った。統制が取れていると何かの事態に備えて誘導することはもちろんだが、そのほかに相互理解と相互援助による人格形成があるという。よくわからないが、協調性を養うことであるようだ。また、その人が持っている素質や能力を理想の形にするためというきれいな目的がある。獄中の皆さん、そうなので頑張りましょう!て、言えません。協調性はある程度必要ですが、権力者のいう事をただ鵜呑みにしていいことなんてありません。マイナカード、ワクチン被害、きれいごとを言って情報がもれたり、副作用により免疫をやられ、権力という後遺症がずっと消えません。集団の行進ですが、自分でもその意味をつかみ、暑い夜の中考えてみてください。(川口)

23・7 651

 五月一五日に発出された広島ビジョンは「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている」と唄った。自分たちの核兵器は正当なものであり、核投下は防衛目的だから許されるというのだ。広島を冒涜している。G7首脳は、このサミットにゼレンスキーを呼んで、ウクライナへの全面的な軍事支援を約束した。ロシアをやっつけるために手を組み、ウクライナを焦土と化してもよしとしたのだ。同時に中国を敵対国ともした。労働者階級が全世界で団結し、帝国主義国、スターリン主義国の戦争政治を真っ向から対決し、そのような非道な戦争を無くさなければならない時代が来た。救援連絡センターの存在は戦争反対をどこまでも貫くために絶対不可欠の存在だ。(S)

23・6 650

 五月二九日、三里塚闘争で逮捕された六人に対する勾留理由開示公判が千葉地裁で行われた。早くから弁護人が請求したが、引き延ばされ、裁判所の都合で勾留満期(三一日)の二日前にやっと実現したのだ。問題は午後一時半と三時一五分からの公判傍聴希望者は一一時から一〇分までに傍聴券交付所に集まれという通知を裁判所はHPに公表しただけで弁護人に連絡もなかった。しかも一八人しか入れない小法廷だ。この日は千葉地裁に対する抗議のデモがあり、露骨な傍聴妨害だ。午後の裁判を傍聴するために一一時に地裁に行かなければならないなど論外である。
 サンケン争議支援の尾澤さん裁判でも大法廷を求める署名運動を無視して、五〇〇人を超える希望者がいたのにわずか四四人しか入れない法廷で行われた。裁判IT化攻撃もある。裁判傍聴妨害を許さず闘おう。(K)

23・5 649 

 朝一番で新聞を開くと、相変わらず自殺者が多い。そんな風景に慣れてしまったのか、自死の決断―絶望に思い馳せることもなくなり、「戦争、ええじゃないか!」と。小綺麗な社会になってきた。そうした社会に適合できなければ落ちていく。外見ばかりを気にしている社会は結局のところ堕ちていくだけ。考えようによっては、「世界に誇れる」日本国憲法を熟知もできないない人たちが、戦争で儲けようとする輩に踊らされて、戦争によって戦争が止められると思い込んでしまう暴力礼讃―暴力信仰。暴力は暴力によって育てられ、拡がっていく。暴力によって暴力を消滅させることはできない。地球はひとつ。四六億年を生きてきている。ぼくたち人類は、明日、隕石衝突で終わるかもしれないこの星を人類のものと勘違いしてないか。この星の上で、万物みんなで生きていこうぜ!(蝦蛄)

23・4 648号

 受刑者から獄中購入品の最新の価格表をもらった。見てみるとびっくりだ。予想以上の値上がりに、獄中者の方々は大変ショックだと思う。以前、価格のアンケートをしたときは消費税が一○パーセントの時の消費税の値上がりの何円単位だと思う。値上がった一部の商品の価格を紹介する。ランニングシャツM七九二円→九○二円、防寒キルトU首M二四二○円→二七五○円、ミューズ石けん一五一円→一六二円など。皆さんからいただく封筒・便箋も地味に値が上がり、文通もハードルが高くなるのではと思う。ウクライナ戦争で輸入が滞り物資が入らないとか言っているが、国内の産業や農業を壊した政府に責任があるのではないか?金のない人から金を搾取するのはやめてほしい。獄中、獄外も生活は苦しい。ところで一度値が上がったものを獄中で値下げするのは夢物語なのか?(川口)

23・3 647号

 トルコ・シリア大地震の死者数は二月二七日で死者数は五万人を超えた。数万のビルが崩壊し、被災者は極寒の屋外に投げ出され、燃料・発電機やテントを必要としているが、アメリカ・NATOは被災地支援に全力をあげるのではなく、そこから黒海を隔てた対岸のウクライナに続々と破壊と殺りくのための武器・弾薬・戦車を送り続けている。この世界の転倒性は明らかだ。人命救助より大国同士の領土の奪い合い、それぞれの国の労働者に武器を握らせ、相手国の労働者との殺し合いを声を限りに扇動する。ロシアもNATO・アメリカも自らの支配階級としての延命こそが唯一なのだ。自らの延命のために核まで武装し、相手国を威嚇し、世界を破滅させることもはばからない。万国の労働者が国際的に団結し、階級支配の鉄鎖を打ち破ることだけが戦争を根絶することが出来る。(S)