23・10 654

 懲役刑と禁固刑が廃止され、拘禁刑に一本化されるという。建前は立派だがその中身が伝わってこない。罪を犯した者を社会から隔離・拘禁し、「社会の安全安心を守る」という考え方自体がおかしい。貧困や差別や児童虐待など社会の矛盾が拡大し深刻化しているのに、「自己責任論」の押し付けや矯正指導で人を改善させるという発想は、反発しか生まない。看守による暴行・暴言・虐待がくりかえされ、獄中者は怒りを抱えながら我慢している。病気になっても看守の言うことを聞かないと医者の診察も受けられない。獄中医療が監獄支配の道具になっている。治療を受けられないままに病気が重篤化し、死亡した人も多い。拘禁刑になると作業報奨金がどうなるのかも不明だ。「社会内処遇」を掲げるなら、まずは死刑廃止と終身刑化している無期刑をなくすべきだと思う。(K)