昨年末から今年にかけて横浜刑務所・拘置所や千葉刑務所などで獄中者と刑務官の集団感染が広がっている。
一月二五日現在で横浜刑務所は一〇六名、千葉刑務所は五五名の感染者が出たと公表されている。全員に対してPCR検査を実施すればさらに数は増える可能性がある。
日本の刑務所は文字通り三密状態にあり、高齢者が多く、持病を抱えている人が多いことからも、感染者が重症化する危険性がある。
獄中医療は深刻な医者不足の上に設備や器具や薬などあらゆる面で不十分なままであり、コロナ感染の危険性が指摘されながらも一向に改善されないできた。
諸外国の例をみても監獄内で集団感染が出た場合は獄中者を釈放するなどの対応がされている。報道されているだけでもイタリア・ドイツ・アメリカ・イラン・マレーシア・アフガニスタン・バーレーン・ヨルダン・ポーランド・トルコ・韓国などで解放が実施されている。
感染者に対しては獄中での対応ができないならば、ただちに獄外の医療機関に移送して適切な医療を受けられるようにしなければならない。
感染者が出た刑務所では刑務官は防護服を身にまとっていながら、獄中者には布マスクが一枚支給されているだけで、その一枚を自分で洗濯して使えとされている。
さらに厨房からの感染があるためか、暖かい食事が出されず、入浴も実施されていない。工場での作業も中止されている。暖房のない獄中で暖かく十分な栄養のある食事がとれず、入浴や工場へも出られず、運動も実施されず、ただ房内でじっとしているだけなので免疫力の低下は必至である。そういう状況で獄中者を生命の危険にさらすことは許されない。
以下、法務省および横浜刑務所・千葉刑務所に要求する。
・感染拡大を防ぐために三密の状態を解消せよ。獄中者の釈放または移送を実行せよ。
・感染者に対してはただちに外部の病院で適切な治療を受けられるようにせよ。
・全獄中者にPCR検査を受けさせろ。
・家族や友人との面会を認めよ。差入れや通信を制限するな。
・電話での通話ができるようにせよ。
・食事・入浴・運動・保温など健康維持のために処遇を改善せよ
・コロナ感染の実態を明らかにし、獄中者に正確な情報を提供せよ。
救援連絡センターは獄中者からの報告を受け、さらにコロナ感染拡大防止のために全力で闘う。
2021年1月30日 救援連絡センター