本年6月6日に「公務執行妨害」で丸の内署に逮捕され、湾岸署に勾留された、湾岸署794番さんへの不当な処遇について厳重に抗議する。
ひとつは、取調べを拒否している湾岸署794番さんを居房から暴力的に引っ張り出して、取調室に連れ出したことだ。
逮捕翌日の6月7日午後、取調べの呼び出しがあり、794番さんは、留置係に「取調べ拒否」を伝えた。しかし、留置係は「だめだ、出す」といい、「いや、拒否だ」と押し問答になったが、最終的には房内に踏み込んできた。そして、留置係が両脇を抱えて取調室に連行した。
これは、警視庁管内における取調拒否者へのはじめての強制連行である。警察の取調べの時には、留置場で「拒否」を伝えれば、出されることはなかった。2013年6月、原宿署において、取調べ拒否者の居房内に看守が入ってきて、取調べに応じるように「説得する」事態があったことに関して、弁護士が抗議したところ、留置係は「手足をつかんで取調室まで連れて行くことはできないことは、座学教養で教育されている」と返答している。しかし、湾岸署は今回、房内に踏み込んで、腕をつかんでまで連行していった。
ふたつめは、留置場での懲罰に関してである。
794番さんは、逮捕・勾留への抗議として点検拒否をおこなった。逮捕翌日7日の朝、点検を拒否したところ、別室に連れて行かれ、「説得に応じなければ懲罰にするしかない」(留置係係長)と脅しをかけてきた。これ以降も、釈放まで点検拒否を続けたが、これに対して、「応じないなら飯なしだ」とどう喝し、留置係が房内に入ってきて「なめるなよ」などとヤクザまがいの脅しをかけてきた。そして実際に懲罰が策動された。
13日に「反則行為に対する弁明の機会の通知」というものが渡された。ひとつは、新入検査時における拒否(身長・体重・問診など)と、点検拒否。ふたつめは、自分の本を同房者に見せたこと。これが、懲罰の理由とされた。
結局、6月16日に釈放となり、懲罰は執行されなかったが、とりわけ、点検拒否を理由とした留置場での懲罰など前代未聞である。
あれこれ「規則違反」をあげつらって懲罰をおこなっているが、抗議の点検拒否をさらに罰しようとすることを許さない。留置場での「保護房」叩き込みの激増とあわせ、被逮捕者に対する恫喝・管理・統制が強まっていることに抗議する。
以上、湾岸署による取調べ拒否者の強引な居房からの連れ出し、留置場での懲罰に抗議する。
2017年 12月9日
警視庁湾岸署署長殿
警視庁警視総監殿
救援連絡センター