救援紙658号発売中 2024年2月号(2月13日発売)

・2023年の弾圧
・「桐島聡」さん名乗り、死亡
・静岡地裁も袴田さんを仕立て上げた
・バイデン・アメリカの破綻とトランプ再登場
・NAAの文書偽造を暴いた証言
・イラクの戦後と日本/沖縄の戦後
・大浦湾埋め立て工事に強く反対しよう!
・獄中おせち特集
・若者が訴え出版の宝島社が被告に
・(傾向映画)74年を振り返る

公判日程

〈東京〉
1月31日(水)◆即位・大嘗祭違憲訴訟判決(15時 103法廷)
2月 5日(月)◆関西生コン対「週刊実話」(16時15分 705法廷)
  19日(月)◆星野国賠(証人尋問)  (10時30分 724法廷)
  27日(火)◆精神医療国賠      (16時 103法廷)

〈全国〉
1月22日(月)◆耕作権裁判      (13時45分 千葉地裁)
2月 7日(火)◆京都・基地田抜き穂の儀訴訟判決 (14時 京都地裁民事)
  16日(木)◆吉田寮現棟/食堂明渡請求訴訟判決 (15時 京都地裁民事)
  19日(月)◆耕作権裁判      (13時45分 千葉地裁)
  21日(火)◆再審中の死刑執行国賠 (10時 大阪地裁民事)
3月18日(月)◆耕作権裁判 (13時45分 千葉地裁)
  19日(火)◆絞首刑違憲国賠 (14時 大阪地裁民事)
4月15日(月)◆当日告知死刑執行違憲訴訟判決 (14時 大阪地裁民事)

救援紙657号 発売中  2024年1月10日発行

本号紙面のあんない

無実の大坂正明さんの懲役20年の超反動判決
星野国賠・証人尋問に向かっての攻防
米軍横田基地デッチ上げ・最高裁上告棄却せよ
冤罪学という挑戦
袴田再審・五回の法廷終了
獄中・獄外からの新年アピール
自衛隊のイラク歩兵を指示した明仁
刑事手続きIT化立法化に反対しよう
沖縄の人々と連帯し、闘いを前進する年に
大川原違法捜査で責任者実名報道をしないメディア

その他、連載あります。よろしくお願いします。

強制採血と「取調べ拒否者」の取調室への強制連行に抗議する

【抗議声明】

強制採血と「取調べ拒否者」の取調室への強制連行に抗議する
2024 年  月  日
救援連絡センター
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5階

【抗議及び要求】
1,牛込署4番(A)さんへの強制採血は違憲、違法であり、これを暴力的に強行したことに抗議し、強制採血した血液の返還とDNAデータの廃棄を求める。
2,取調べを拒否したAさんに対する取調室への強制連行に抗議する。

【事実経過と抗議及び要求の理由】
1、事実経過
昨年11月1日、Aさんは「有印私文書偽造・同行使」罪で警視庁公安一課によって令状逮捕され、同年11月21日まで牛込署に留置された。その後不起訴となった。
11月3日、Aさんは、公安一課・齋田匡史より「DNA鑑定のための口腔内粘膜採取同意書」への同意を求められたが即座に拒否したところ、齋田は「拒否すれば令状とって強制的に血液採取するぞ」と恫喝した。
11月10日午前9時すぎ、Aさんは「検事調べ」と嘘をいわれて車に乗せられ、警察病院に連行された。その車中で「令状がある。強制的に採血する。警察病院へ行く」と通告されたので、Aさんは即座に拒否を表明した。
しかし、警察病院で待ち受けていた公安一課・新屋武史ら合計約8名に暴力的に制圧され、鑑定処分許可状らしきもの1枚だけ見せられ、両脇を抱えられて宙吊り状態で採血室に入れられた。そこでベッドに5人がかかりで体を押さえつけられ、二度針を刺され採血が強行された。この間Aさんは腕をねじり「でっち上げは許さない」と叫び続けた。
Aさんは、この違法不当な強制採血に抗議して、この日の午後から「取調べ拒否」を通告し、房から出ず、取調べに応じなかった。
ところが、11月20日14時すぎ留置係が3人で(いつもは2人)「取調べ」呼び出しに来た。「調べだ。受忍義務がある。私たちもこうしたり(脇を抱える仕草)したくないし…。出ないか?」というが、拒否すると留置係が7~8人やってきた(うち一人はカメラを回す)。そして「警告します。あなたには取調べ受忍義務があります」と手書きしたホワイトボードをかざし、横たわっているAさんの房内に上がり込み、両足両脇をかかえて車椅子に乗せた。そうして前手錠をし、腰縄を車椅子にくくりつけて、留置場外で待つ警視庁公安ら7~8名に引き渡した。
公安警察官らは、車椅子に乗せられたAさんの両膝、足首を押さえつけ、車椅子を後ろ向きで引っ張って取調室へ強制的に連行した。
取調室で待っていた公安一課・齋田匡史、関谷耕平らは、「椅子に移れ、このままじゃ調べができない」「みっともない、だだこねて」「これが完黙の闘いか」などと罵倒しつづけた。
しかし、Aさんは、取調室でも拒否の姿勢を貫いた。こうしたAさんの闘いに圧倒され、公安らは「これでは調べはできないな」とつぶやき、取調べをあきらめ、留置場へ戻した。

2、抗議及び要求の理由
本件強制採血は違憲、違法である。強制採血に必要としている「身体検査令状」は一切示されていない。嘘をついて警察病院に連行し、暴力的に採血を強行した過程全てが不当である。
このような違法に収集した「証拠」を捜査機関が保管し続けることは許されない。即時、採取した血液を返還し、DNAデータを廃棄せよ。
Aさんの取調室への強制連行は、違法である。Aさんには取調べ受忍義務がなく(刑訴法198条2項、319条1項)、憲法の保障する黙秘権の侵害である。さらに、留置担当者の行為は、「その留置施設に留置されている被留置者にかかる犯罪の捜査に従事してはならない」とする捜査と留置の分離の原則(刑事収容処遇法16条3項)に明確に違反する行為で断じて許されない。
かつて2013年6月、暴行容疑(ヘイトデモへの抗議)で原宿署に留置された被疑者が「取調べ拒否」を通告しているにもかかわらず、留置担当5~6名が房内に入ってきて「出ろ」と強引に取調室へ行くことを強制された事態があった。救援連絡センターに結集する弁護士が、事態を知って原宿署にかけつけ留置担当に抗議した際、留置担当者は「自分たちは、座学で実力行使はできない、と教わっている」と述べている。今回の事態はこれを真っ向から否定する行為である。
捜査当局は、取調室への強制連行の翌日11月21日、Aさんを釈放せざるを得なかった。釈放は当然としても、かつて1999年4月に国会でとりあげられた「女性とホテルに偽名で泊まった」元東京高検検事長の則定衛の私文書偽造・同行使事件(立件なし)や警察の組織的裏金づくり、検事総長のかけマージャン、公安警察による近時の大川原化工機ねつ造事件など、治安当局の問題は一切不問にされている。それが「国家権力と闘う人物」と見なされれば、選別的に「私文書」罪で21日間も勾留されただけでなく、強制採血、取調室への強制連行という暴力的処遇まで強いられるのだ。断じて許すことはできない。
われわれは、違憲・違法・不当・反人民的な「強制採血」、「取調べ拒否者」に対する留置場からの暴力的連行に抗議する。
Aさんへの謝罪、強制的に採血した血液の返還を行なえ!今後一切「取調べ拒否」者への実力行使をもった「取調べ」強要をやめろ!
以上

この抗議声明への賛同をお願いします。
2月末日までに救援連絡センターまで、FAXかメールにてお送りくださるようお願い
します。
送り先 FAX (03)3591-3583 email kyuen2013@gmail.com

(団体名または個人名で) 賛同します。
お名前
連絡先

 

抗議声明 署名表 抗議声明 署名裏

抗議声明賛同団体・個人(2024年2月29 日現在)
【賛同団体】
大坂正明さん救援会、沖縄戦と朝鮮人強制連行を記録する会、オリオンの会、解放派弾対部、革共同救対部、関西合同労働組合、共産同統一委員会弾対部、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会、公安警察解体!反弾圧・反警察運動、三里塚芝山連合空港反対同盟、三里塚を闘う全国「障害者」解放委員会、三里塚野戦病院、人民新聞社、杉並救援会、全障連九州ブロック、全日本建設運輸連帯労働組合関西ゼネラル支部、同関西地区生コン支部、同朝日分会、同天城分会、同京津ブロック、同滋賀ブロックサクラリース分会、同新淀分会、同タイコー枚方分会、同タカラ運輸分会、同TYK高槻分会、同奈良ブロック、同灰孝バード分会、全日本建設運輸連帯労働組合近畿地区トラック支部、同近畿地方本部、組対法攻撃と闘う会、立川自衛隊監視テント村、反安保労研全国センター、福岡市民救援会、福岡築港日雇労働組合、福岡地区合同労働組合、横浜生活保護利用者の会 (以上36団体)

【賛同者】
浅野史生、一瀬敬一郎、上野雅生、遠藤憲一、大口昭彦、小川原優之、尾嵜裕、岡田基志、川村理、鈴木宏一、武内更一、辻恵、土田元哉、永嶋靖久、西村正治、野村修一、長谷川直彦、松本淳、用澤義則、山本志都、吉田哲也、和久田修(以上22弁護士)
青木和也、赤川純、秋月昭麿、荒川勝彦、安藤裕子、石原朱美、井上清志、岩井茂雄、岩本乾治、宇保賢演、浴田由紀子、榎本愛美、遠藤美保子、大賀英二、大澤卓司、大山千恵子、岡嵜啓子、岡田雅宏、小川智子、尾澤孝司、垣沼陽輔、兼杉美枝子、上月民夫、木村薫、木村義樹、亀田博、楠山忠之、久世裕子、栗原功治、黒岩大助、河野道夫、小松健彦、斎藤隆史、桜井隆夫、指出顕、佐藤加代、佐藤保、佐野公保、佐無田義己、重信房子、小路健太郎、柴崎裕、杉浦文俊、杉山道広、関充明、高橋恒夫、高濱真一、武洋一、田中一平、田中七重、辻忠男、土屋翼、津波リーラン、豊島正悟、友永ゆかり、内藤雄二、中野香代、中山吉人、七牟礼時夫、新村明一、西島大輔、西田幸生、西山直洋、西村トシ子、長谷川洋子、原田典之、張本効、平尾直弘、平田郁生、平野幸男、弘田孝明、福井紳一、福嶋聡、藤井健一、藤田学、古澤正夫、本多伸行、前田朗、前田祐一、松尾聖子、松尾龍一、松平修平、松村憲一、水谷佐和子、三角忠、水戸喜世子、皆川義幸、ミナモト千里、矢島竜次、山際敏和、山本兼吉、山本智、吉井康彦、吉岡滋子、吉田晃、吉田修、渡辺亜人、渡辺真臣、渡辺好子、中野真樹子

 (以上99人)抗議声明賛同団体・個人(2024年3月14日現在)

23・12 656

 今年は関東大震災から一〇〇年。東京、横浜などで関連展示をしている。その当時の新聞が張り出しており読んでみると、横浜市根岸刑務所では受刑者に市内の警備にあたらせたという。内容としては暴漢からの保護、家屋の下敷きになっている人の救出。もちろん囚人は自分のいる住所を刑務所に知らせている。解放された人数は千人余り。そのうち九〇〇人が刑務所に返ってきた。返ってきた人は再び市中の警備にあたった。刑事収容施設法には「応急用務」があるのだが、これは施設内で災害訓練を受け、地震があったときに施設内の災害などにあたらせるのだろう。天災は人手が必要なのだから、何かあったときは獄外で活躍させてもいいと思う。大正時代の人たちは、おおらかであったのだろう。再犯防止と言いながら、結局は何かあったときは支援をさせない権力ってなんだろう。(川口)

23・11 655 

 新聞投書欄に一五年以上前、ヨルダン川西岸を訪れた人の報告が載った。「学校や職場に行くにも毎朝検問所を通らなければならない。しかも係官の気分次第で通行を許可されないことがある。町に相談なく外国人の分譲住宅が造られ、そこに入居した見ず知らずの人から石を投げられたり、実弾を発砲されたり。畑が勝手に没収されて巨大な壁が造られ、徒歩圏内の学校や職場、病院に行くために何時間もかかる。警察や行政に訴えても何もしてくれない。こんな状態が半世紀以上続いている」。ガザの一〇月七日の決起は、このようなイスラエルのパレスチナ人抹殺政策に対するやむに已まれぬ決起だ。イスラエルの背後にはアメリカがある。アメリカが世界に君臨するために一九四五年八月、広島・長崎への原爆投下と、中東の「イスラエル」建国があった。労働者階級はそれを許さないのだ。(S)

23・10 654

 懲役刑と禁固刑が廃止され、拘禁刑に一本化されるという。建前は立派だがその中身が伝わってこない。罪を犯した者を社会から隔離・拘禁し、「社会の安全安心を守る」という考え方自体がおかしい。貧困や差別や児童虐待など社会の矛盾が拡大し深刻化しているのに、「自己責任論」の押し付けや矯正指導で人を改善させるという発想は、反発しか生まない。看守による暴行・暴言・虐待がくりかえされ、獄中者は怒りを抱えながら我慢している。病気になっても看守の言うことを聞かないと医者の診察も受けられない。獄中医療が監獄支配の道具になっている。治療を受けられないままに病気が重篤化し、死亡した人も多い。拘禁刑になると作業報奨金がどうなるのかも不明だ。「社会内処遇」を掲げるなら、まずは死刑廃止と終身刑化している無期刑をなくすべきだと思う。(K)

23・9 653

 この星がいよいよ怒りを表出し始めたようだ。人が山野を切り刻み、汚染物質を撒き散らし、さらに核兵器で、木っ端微塵にされてはたまらないと、この星も立ち上がった。
 誰にもわかる天変地異である。いきとしいきているものたちが大地とともに大自然とともにゴロゴロゴロ。古今東西の欲の皮が突っ張った輩の行いはどこも同じ。自分の周囲しか見ないから、全体がおかしくなってきてもそれが分からずにいる。ゴロゴロゴロとみんなして転がることの安心感というごまかし。
 人殺しのための文明はいらない。殺しの文明は、憎しみと哀しみを生み出すだけだ。ウクライナで、パレスチナで戦火が続く中、新橋の飲み屋ではそんな話題になることもなく、次の肴は何にするかで論争している。この星がどうなろうとカンケーない人のなんと多きかな。この国のいい加減さを笑う。(蝦蛄)

23・8 652

 獄中から集団での行進の件について手紙をもらった。私は軍隊と関係があると思っていたが、その後図書館に行き、集団での行進の意味を知った。統制が取れていると何かの事態に備えて誘導することはもちろんだが、そのほかに相互理解と相互援助による人格形成があるという。よくわからないが、協調性を養うことであるようだ。また、その人が持っている素質や能力を理想の形にするためというきれいな目的がある。獄中の皆さん、そうなので頑張りましょう!て、言えません。協調性はある程度必要ですが、権力者のいう事をただ鵜呑みにしていいことなんてありません。マイナカード、ワクチン被害、きれいごとを言って情報がもれたり、副作用により免疫をやられ、権力という後遺症がずっと消えません。集団の行進ですが、自分でもその意味をつかみ、暑い夜の中考えてみてください。(川口)

23・7 651

 五月一五日に発出された広島ビジョンは「我々の安全保障政策は、核兵器は、それが存在する限りにおいて防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止すべきとの理解に基づいている」と唄った。自分たちの核兵器は正当なものであり、核投下は防衛目的だから許されるというのだ。広島を冒涜している。G7首脳は、このサミットにゼレンスキーを呼んで、ウクライナへの全面的な軍事支援を約束した。ロシアをやっつけるために手を組み、ウクライナを焦土と化してもよしとしたのだ。同時に中国を敵対国ともした。労働者階級が全世界で団結し、帝国主義国、スターリン主義国の戦争政治を真っ向から対決し、そのような非道な戦争を無くさなければならない時代が来た。救援連絡センターの存在は戦争反対をどこまでも貫くために絶対不可欠の存在だ。(S)