監獄内でコロナ感染が拡大する中 獄中者の命と健康を守れ!

昨年同様、今年に入って全国の監獄・入管施設でコロナ感染が拡大している。
 法務省が公表した数によれば1月だけでも法務省の職員479人が感染した。
 昨年は職員の感染から被収容者に感染が拡大していった。今年もほぼ同様に、職員が感染した施設から次第に被収容者に感染が広がっている。
 すでに京都刑務所では職員15人・獄中者39人が、府中刑務所では職員9人・獄中者18人が、東京入管では職員64人が感染したことが公表されている。
 この数字はごく一部だけであり、ほとんど全国の刑事施設で感染が広がりつつある。全員に対してPCR検査を実施すればさらに数は増える可能性がある。
 日本の刑務所は文字通り三密状態にあり、高齢者が多く、持病を抱えている人が多いことからも、感染者が重症化する危険性がある。
 獄中医療は深刻な医者不足の上に設備や器具や薬などあらゆる面で不十分なままであり、コロナ感染に対応できる医療機関は法務省関係では存在しない。
 救援連絡センターは一昨年から感染拡大の危険性を指摘し、対応を要求してきたが、法務省は一向に改善しないできた。
 諸外国の例をみても監獄内で集団感染が出た場合は獄中者を釈放するなどの対応をしている。感染者に対してはただちに獄外の医療機関に移送して適切な医療を受けられるようにすべきである。
 昨年は感染者が出た刑務所では温かい食事が提供されず非常食となり、工場作業も中止されたため、運動不足となる。ただ房内でじっとさせられているだけなので免疫力の低下は必至である。
 そういう状況で獄中者を生命の危険にさらすことは許されない。
以下、法務省に要求する。
・感染拡大を防ぐために三密の状態を解消せよ。獄中者を釈放せよ。
・感染者に対してはただちに外部の病院で適切な治療を受けられるようにせよ。
・全獄中者にPCR検査を受けさせろ。
・希望する全獄中者にはワクチン接種による副反応などの説明をした上で接種をさせろ。
・戸外運動または室内での運動を認めろ。
・家族や友人との面会を禁止するな。差入れや通信を制限するな。
・電話での通話ができるようにせよ。
・食事・入浴・運動・暖房など健康維持のために処遇を改善せよ
・コロナ感染の実態を明らかにし、獄中者に正確な情報を提供せよ。
 救援連絡センターは獄中者からの報告を受け、さらにコロナ感染拡大防止のために全力で闘う。
         2022年2月5日  救援連絡センター
法務大臣 古川禎久殿
法務省矯正局 佐伯紀男 殿