次回の取調問題研究会は以下の日時、場所にて行います。
2018年1月27日(土)18時~
新橋・バルーン303号室
次回の取調問題研究会は以下の日時、場所にて行います。
2018年1月27日(土)18時~
新橋・バルーン303号室
43年前のきょう、東京高裁の寺尾正二裁判長は、石川一雄さんに無期懲役判決をおこなった。弁護団は「ペテンだ」と抗議し石川さんは「そんな事は聞きたくない」と怒りをこめて叫んだ。この不当有罪判決が、石川さんにいまも「みえない手錠」をかけている。
しかし、第3次再審請求で提出された新証拠によって、寺尾判決は完全に崩れている。
寺尾判決は、脅迫状の筆跡を有罪証拠の主軸だとしたが、逮捕当日の上申書が証拠開示され、あらたな筆跡鑑定によって、犯人と石川さんの筆跡がまったく違うことが明らかになった。さらに、証拠開示された取調べの録音で、当時の石川さんが非識字者であり、脅迫状が書けなかったことが客観的に明らかになった。
また、取調べ録音テープによって、石川さんが、死体の状況や鞄の捨てられ方など犯行内容をまったく知らなかったことも明らかになった。犯行の体験を語れない石川さんを取調官が誘導してウソの自白をつくっていたことが録音された取調べのやりとりで暴露された。「取調べでスラスラ自白した」という警察官の証言が偽証であり、それを根拠に自白は信用できるとした寺尾判決は完全に誤っている。
寺尾判決は、石川さんの自白通りに被害者の万年筆が発見されたとして有罪の根拠としたが、下山鑑定は発見万年筆が被害者のものではないことを科学的に明らかにした。証拠の万年筆には被害者が使っていたインクはまったく入っておらず、異なるインクしか入っていない偽物である。殺害後、被害者の万年筆を持ち帰り自宅のお勝手の入り口のカモイに置いていたという自白は完全にウソの自白である。そもそも、高さがわずか176センチのカモイに万年筆があれば2度の徹底した家宅捜索で警察官が見落とすはずはない。3回目の捜索で発見されるという不自然さとあわせて考えれば、万年筆は捜査機関によるねつ造と言わざるをえない。まさに袴田事件の「5点の衣類」と同じである。
部落差別にもとづく予断と偏見に満ちた捜査、別件逮捕や代用監獄の取調べを正当化し、警察の誤った鑑定と密室の取調べで作られた自白に頼って石川さんを犯人と決めつけた寺尾判決の不当性は明らかである。いまこそ狭山事件の再審が開始されなければならない。
足利事件や布川事件など再審無罪となった冤罪の教訓は誤判から無実の人を救済するために証拠開示と事実調べが不可欠であるということである。しかし、狭山事件では石川さんが半世紀以上も冤罪を叫び続け、多くの新証拠が提出されてきたにもかかわらず、寺尾判決以来43年間、一度も事実調べがおこなわれていない。このような不公平・不公正はこれ以上許されない。わたしたちは、狭山事件の第3次再審請求を審理する東京高裁第4刑事部の植村稔裁判長が、証拠開示を検察官に勧告し、鑑定人尋問などの事実調べをおこなうよう強く求める。弁護団が開示を求める証拠資料を東京高検がすみやかに開示するよう求める。
再審の審理が大詰めをむかえている袴田事件の一日も早い再審開始と無罪判決、すべての無実を叫ぶ人たちの再審開始を求める。そして、冤罪被害者や支援運動と連帯し、司法反動を許さず、冤罪根絶にむけて、再審における公正な証拠開示の確立など再審手続きの改正を実現する闘いを全力ですすめる。
一日も早く石川さんの「みえない手錠」をはずすために狭山事件の再審を実現しよう!
2017年10月31日
狭山事件の再審を求める市民集会 参加者一同
新橋のキャバクラ店に勤務する女性が殺されました。
報道によると、今月4日、営業中の店内で「オーナー」である男性が、従業員である女性の「髪をつかんで引きずり、馬乗りになって顔を何度も執拗に殴る」などしたのです。
女性は急性硬膜下血腫などの大けがを負った末、搬送先の病院で今月10日に亡くなりました。
私たちは彼女の死に強い怒りと悲しみを感じます。そして彼女の恐怖と絶望に戦慄を禁じることができません。
何より「彼女」は、「私たち」だからです。
この事件で実際に振るわれた暴力は、キャバクラ店での接客に従事している私たちに日常的にほのめかされ、見せつけられてきたものです。
この事件は決して個人間に生じた例外的事件ではありません。
私たちフリーター全般労働組合/キャバクラユニオンは、当事者と共に闘う中で、経営者からの非道な支配と暴力を何度も目にしてきました。
暴力は日常的にほのめかされ、見せつけられ、行使されています。この事件は特異で例外的なものではなく、私たちが常に向き合わされている現実です。
そして、またしても始まった個人的関係と背景の詮索に、強く憤りを感じます。
幾多の人々が機に乗じて「水商売だから悪い」「仕方がない」という結論にたどり着こうと情熱を注いでる。
殺害の尻馬に乗って加害を上塗りする人たちには、どんな関係であろうと、どのような背景があろうと、殺害が正当化されていいわけがないと伝えたい。
ただこの暴力を見つめてほしい。
女性だから殴られ、水商売に従事しているから殺される。
同種の事件が繰り返されているのは、この社会が水商売で働く女性は殴ってもいいとみなしているからです。暴力を終わりにするには、この差別的な社会の視線を徹底して問題にする必要があります。
私たちは、私たちに注がれる差別的な視線に抗議します。そしてこの事件と、事件を産み出し続ける社会を強く強く追及します。
2017年7月29日
フリーター全般労働組合/キャバクラユニオン
松平耕一さん(39歳 東京在住。15年に大腸がんのステージ4に)
福島・関東の住民に原発事故の放射能による体調不良が増えている。広島やチェルノブイリでも、末期がんなどの大病を増やし、若年層の死者が激増した。
今回話を聞いた松平耕一さんは、東京で生まれ育ち、15年に37歳で末期大腸がんが発覚した。以来東京で闘病生活を続け、7月現在、ホスピスに入院中だ。「病者」として、「放射能の影響がある。国と東電を許さない。責任を取らせたい」と公言している。3.11事故の核心と言える、初めての声ではないだろうか。
松平さんが被曝の影響があると考える理由は、①関東全体も被ばく地帯。内部被曝はわずかでも病気になりうる。②親との関係が悪かったため自宅に帰れず、ほぼ毎日「食べて応援」を掲げて福島産の食材を無制限に使う「吉野家」や「サイゼリヤ」などで外食し続けたから。③事故直後は仕事で毎日銀座の街頭に立っており、その後も東京では特に汚染の高い東部で仕事をし続けたから、などを挙げる。若いほど新陳代謝が活発でがんの進行も早まるため、発覚時には末期であることが増えるだろう。
松平さんは、私の友人であり、運動仲間でもある。昨年から「福島原発事故による健康被害者の会」を一緒に立ち上げた。私は東京から関西へ避難したが、帰省の度に面会している。松平さんは自身の病態や原発の影響をネットで発信し続けてきた。闘病方針も自ら選んできた。彼の存在と声は、私が健康被害問題を取り上げ運動する原動力となっている。彼は、「自分の余命は短く、多くの人に声を届けたい」と話す。
「だめ連ラジオ・熱くレヴォリューション!」がホスピスの病床で松平さんに行ったインタビューを、文字起こしさせて頂いたので、ここに掲載する。ぜひ多くの方に読んで頂きたい。(編集部・園)
※「だめ連ラジオ」インタビュー・前半音声:https://www.youtube.com/watch?v=jkRuI9nq79w
後半音声:https://www.youtube.com/watch?v=WDw8rmlmKFE
見つかった時点で大腸がんのステージ4で、肝臓に転移していました。5年生存率は18%ということでした。癌が広がっている範囲が大きくて、手術ができない状態でした。抗ガン剤で治療し、腹痛や便秘のせいで入退院を繰り返してきました。大腸が機能していないので、人工肛門を造設していて、不便な思いをしています。副作用のせいで、いつも具合いが悪く、1日中寝ていることが多かった。激しい苦痛を経験し続け、6月からホスピスに入りました。
病気が見つかるまでの体調ですが、15年11月にものすごい腹痛に襲われて、病院に行って癌だとわかりました。発見されるまで、1年かそれ以上の間、1日6回も7回も下痢があった。精神性のものかと思っていました。10月、11月には、トイレの前で立てなくなり、ずっと転がったままでいて、救急車を呼ぼうかというくらいの状態になりました。
1年に1度の健康診断は受けていました。徐脈があったこと以外は、まったく異常はなかったです。2015年夏に、会社の健康診断を受けています。また、10月には、治療薬検査のバイトで入院しています。また、自転車での転倒とか、胸をぶつけるとか、物理的な原因がきっかけとなり、右胸の下辺りが痛むという症状が、昨年の5月と9月にありました。この時は整形外科にかかったのですが、異常は見つかりませんでした。その時点で精密検査を受けていたら、癌が発見されていたのではと思います。癌による炎症が内臓で起こっていたのだろうと考えています。
私の場合、牛肉や添加物の摂りすぎ、野菜不足の生活、日々の精神的ストレスなどは、癌の原因になったと思います。しかし、私の歳で癌になるのは珍しいと思いますし、原発事故との関連はありうることだと思っています。
15年末から闘病してきましたが、がんはきつい。みんなならない方が良いと思います。自分は以前から致死念慮のようなものがありましたが、甘かったです。やはりキツイです(号泣)。最近は語る気力もなくなってしまって。どうしようもない。沈黙せざるをえなくなる。やはり「命を大切にする」のは大切なことだと思います。
今は寝返りを打つのも辛く、各所、特に股関節が異常に痛みます。「助けてくれ!」と夜中じゅう叫んでいました。でもそれが今の地元の救急病院では伝わらず、放置されていることも多かったです。その時は夜中じゅう絶望していました。超大型の病院に行けば回避できたかもしれませんが…それもそれでがん研究の対象にされてしまう。 結局地元の病院に通い続け、助けてくれる身内の通いやすさを優先しました。
しかし、身内には苦手意識がありますし、身内のせいでがんになったのではという思いもある。どうしてこんな人生になってしまったのかと…(号泣)。どうすれば苦しみを少なく死ぬことができるのか、がもう自分のテーマになっています。 しかし、ホスピスに入れるのは、ある程度お金のある人なんですよね。入れてなければもっときつかったと思います。僕は両親も姉も健在で、身寄りがある。それが無い人の苦しみや絶望は、想像するだに恐ろしいです。家でがん死せざるをえない絶望感は、半端でないと思います。その時「助けてくれ!」と叫んでも、隣近所が助けてくれるかどうか、厳しいですから。
昨年春に「福島原発事故による健康被害者の会」を作り、4月、5月と集会を行いました。関東の被曝被害を当事者自身が語り合いました。僕は、37歳でがんになるのは早すぎると思います。40歳は国にとって一つの敷居で、40歳以上だと大腸がん、胃がん、肺がんなどのがん検診が受けられるんです。じゃあ40歳以下は切り捨てるのかと。がん患者はどんどん増えるし、被曝との関わりを考えなければいけない。それなのに声が伝わらない悲しみが、ずっとあります(涙)。東京圏の活動家たちも、反原発運動と言っても、自分たちが被曝の当事者として闘っていくことに関しては全然足りていない。煮え切らないものがずっとあります。
放射能は目に見えないから、因果関係の論証は厳しいなと思いつつ、目に見えないからといって「無いんだ」と絶対に言わせてはいけないんです。目に見えないものとの、想像力の闘いが必要だと思います。関東圏も確実に放射能汚染の数値が上がっているので、自分がもし病気になったら、原発事故と関連があるんじゃないかと想像してほしいし、そう主張してほしいし、主張する人がいたら手伝ってあげてほしいと思います。病気はこれからもどんどん出て来ると思います。
だんだんと腸が体から出てきてしまったので、この辺で終わりにしたいと思いますが…やはり、ガンはヤバい。怖い。繰り返し伝えたいです。以前友人に「抗がん剤は使わない方がいい」とアドバイスされましたが、もし使わなければ、自分はその数カ月後には死んでいたと思います。ただ、抗がん剤は生命には不自然なことをしているわけで、自分で自分の身体を傷つけている。医者には、長く生きられるかどうかを見る実験台にされているようです。
原発は恐るべき環境破壊でもあるので、地球も、生命も…ちゃんと尊重しようよ、と心から思います(号泣)。
最後に、松平さんへのインタビュー「3・11被ばく被害者は語ることができるか」から一部転載する。英訳され海外にも紹介された(全文はhttps://radiationdamage311.wordpress.com)。
「福島原発事故の本当の全容は、未だまるで見えていない。ここでは『3・11の被曝被害者』というものの外延を広げたいと思う。福島の近隣圏や関東圏までを含めた東日本の在住のすべての存在は、可能性としての『3・11被曝被害者』でありうる。そして、東日本在住の多くの病人は、実は、可能性としての『健康被害者』でありうる。
東日本の多くの地域で、原発事故後、放射能汚染が観測された。1年間の被曝限度となる放射線量を、平常時は1㍉Sv未満と定めているが、これを超えて被曝させられた人々は、東日本において凄絶な単位で存在する。それはすべて、『3・11被曝被害者』であると定義できるはずだ。この意味で、生まれてこのかた38年間東京都民であった私、松平耕一は、間違いなく『3・11被曝被害者』であると言えよう。
そして、今、松平は1人の病人であるが、もしかしたら、可能性としての『福島原発事故による健康被害者』かもしれない。つまり私は、私たち東日本在住の病人は、『3・11被曝被害者』であることは名乗りえる。私は、文学的な想像力によって、『原発事故による健康被害者』の立場へと跳躍することで、その健康被害者の、歴史的責任について検討したいと思っている。」
参議院本会議では、本日7時46分ごろ、共謀罪法案の採決が行われ、賛成165、反対70で、共謀罪法を可決・成立させた。
この法案に対しては、刑事立法の基本原則である罪刑法定主義を無視し、「テロリズム集団」「組織的犯罪集団」「準備行為」等、処罰範囲を確定するために必要な概念が明確にされず、277(法務省は、数を少なく見せるために1項犯罪と2項犯罪を同一犯罪と計算している。それらをすべて別個に計算すると、その数は316に及んでいる)にも及ぶ犯罪を処罰対象犯罪としているが、それについてもその根拠についての十分な説明がなされないままである。
法案の必要性については、「テロ対策」だと明言しているが、本当にテロ対策なのであろうか。
277犯罪の内訳は、テロ関連犯罪110、薬物関連犯罪29、人身搾取関連犯罪28、資金源犯罪101、司法妨害犯罪9である。110に及ぶテロ関連犯罪として列挙されているものは、テロが行われた際に発生するであろう結果を上げたものにすぎず、それらの計画を事前に察知し、取締りを強化してもテロ行為を防げるものではない。
そもそも、特定秘密保護法12条に規定する「テロ活動」は、①政治上の主義主張に基づくこと、②主義・主張を強要し、又は社会に不安を与える目的の存在、③人を殺傷し、重要な施設その他の物を破壊するための活動という三要件が必要である。
ここで掲げられている110のテロ関連犯罪の計画罪は、このテロの三要件とは無関係なものであり、この法案がテロ対策ではないことは明白である。
また、TOC条約は、国をまたいで存在する組織犯罪を防止するために締結された条約であり、テロ対策のためのものではない。しかし、安倍内閣は、この条約の批准のためと言いながら、市民をだまし、「この法律がなければテロは起きるのだ」と主張し、テロ対策には必要だという論法で押し通してきた。
この共謀罪法案は、277にも及ぶ犯罪の計画を処罰するものであり、計画していることを監視し、従来の刑事立法では絶対に処罰されることのない「心の中」を処罰するものである。
それを法務省は、「処罰の間隙」ととらえ、予備以前の段階での早期処罰を狙っているのである。それは、その段階での警察捜査が可能とするものであり、警察の「心の中」の捜査を認めるものである。
それは、警察による「心の監視」そのものであろう。
安倍内閣が推進する「戦争国家への道」に異議を唱える者を監視し、国論を一つにまとめ上げようとするものであることは明白である。
刑法は、民法とともに、国家の基本法である。国家の基本法を人々の理解を得る努力もせず、多数の数に頼り、強行採決で処理したことは、民主主義の否定であり、日本という国が安倍専制国家へと変容したことを示すものである。
私たちは、このような安倍内閣を許さず、安倍内閣の退陣を求め、闘いを継続するであろう。
2017年6月15日
共謀罪の創設に反対する百人委員会
安倍晋三自公政府は、五月一九日衆院法務委員会において、
1月4日、安倍首相が遂に共謀罪の今国会上程を打ちあげ、菅官房長官が〝テロなどを含む組織犯罪を防ぐことは国民も望んでいる。一般の方々が対象となることはあり得ない〟などと記者会見し、自公で最終調整に入っている。法案の詳細は定かでないが、昨夏にリークしたのと変わらない「テロ等準備罪」であり、7月2日都議選を控えた公明党の顔を〝対象犯罪半減〟などで立て〝小さく産んで大きく育てる〟作戦である。質(法益侵害・行為刑法→予防・行為者刑法への大転換)を量(対象犯罪数など)の問題に切り縮め、一般共謀罪の4度目復活を強行しようとする策動を絶対に許すな!
国内に立法事実は何もない
日本の殺人発生率は世界207位で、OECD諸国で〝治安〟良好のトップ争いをしている。また〝テロの脅威〟を騒ぎ動員した伊勢志摩サミットでは何も起きなかった。国際的組織犯罪条約を批准しなくても、条約調印以来16年、外務省・法務省・警察庁以外に誰も困っていない。逆に、裏金作りに励む組織犯罪集団だと論難された警察は、今も自白強要・証拠捏造など刑事司法の根幹を揺るがしている。腐敗しきった警察・検察にこれ以上、オールマイティの武器を与えるわけにはいかない。
とってつけた立法理由-国連条約批准とテロ対策のための嘘
法制審以来、国内に立法事実がないことを認めざるをえない法務省・警察庁は今、共謀罪新設の理由として、①国連条約批准のため、②20年東京五輪成功に向けたテロ対策のため、の二つを押しだしている。しかしこれもまたデタラメだ。
①〝世界大の治安共同体〟構築を狙う危険な国連条約
政府は国連条約批准が一八七カ国に増え、もはや日本が〝抜け穴〟になることは許されないという。しかし同条約は、警察庁が〝21世紀のグローバル・スタンダード〟とする国際的な治安条約に過ぎない。人権条約と違って、労働者民衆にとってどうしても批准しなければならないものではない。条約を批准していない日本が、その内実はともあれ〝世界一安全・安心な国〟だと誇ればいいだけだ。
03年秋の国会審議は、極めて不十分なまま条約締結を承認した(社民党と川田悦子議員反対)。しかし締結承認は後の共謀罪論争で暴露された資料などに基づき再検討する必要がある。従来の政府説明の破綻や条約本文に反する対象犯罪半減は、締結承認そのものの見直しを要求するからだ。
②国連条約とテロ対策は関係がない
共謀罪はもともと国際的にもテロ対策として提案されたものではない。条約第二条は、金銭的・物質的利益目的のマフィア・暴力団対策としている。国連初の総合的治安条約は、原理主義など思想的・宗教的利害に係る〝テロ集団〟を対象としていない。
確かに今、米・仏・豪・露・中など世界各国は競うようにして〝テロ〟対策立法をエスカレートさせている。しかし対〝テロ〟戦争は泥沼への道であり〝安全も安心もない世界〟である。またG7の財務・法務・警察官僚が主導する金融活動作業部会がマネロン規制に留まらない「勧告」を連発し、組織犯罪対策からテロ対策に重心を移している。一四年制定のテロ指定・資産凍結法はその〝圧力〟の結果でもある。しかしこうした国際治安マフィアの暗躍・悪扇動を許してはならない。
③20年東京五輪成功のためは大嘘
自公政権は、条約批准のためとして共謀罪を国会上程し、論破された経緯を踏まえて五輪〝テロ〟対策の厚化粧をした。しかし国威発揚のための五輪開催と〝テロ〟対策強化がなぜ結びつくのか? どの五輪開催国が刑法を全面改悪してまで備えたか? 既に日本政府は国連対テロ条約全てを批准し、過剰なまでに国内法化している。陸・海・空のサミット戒厳態勢に見るまでもなく、日本は既に過剰警備国家である。〝備えあれば憂いなし〟で、民衆の恐怖を煽って翼賛させ、異端排除社会を創ることは許されない。
なぜ今、共謀罪の四度目登場なのか?─〝使える共謀罪〟としての登場!
秘密法・戦争法を強行制定した安倍政権は、トランプ登場など世界危機が一挙に深まる中で、南スーダン派兵、沖縄反基地闘争弾圧、明文改憲を進め、国家頂点からの労働運動・民衆運動絞殺や再包摂を推し進めている。現時点での共謀罪浮上は、戦争する国に見あった弾圧・治安管理の飛躍的強化を狙う支配階級にとっては、満を持しての登場と言ってよい。
〝話し合っただけで罪にする〟共謀罪は、戦後治安法から国益を最優先する戦時刑法への転轍器であり、平時・戦時を貫くシームレスな非常事態型、全天候対応型の現代版の治安維持法である。それは近代刑法の法益侵害・行為処罰原則を破壊し、予防・行為者刑法への飛躍をもたらし、労働者民衆の思想・表現・結社の自由や団結権を更に大きく破壊する。
共謀罪は単に新しい犯罪類型を創るだけではない。法案は密告を奨励しているが、併せてその捜査手法がなければ絵に書いた餅になる。06年時に共謀罪を制定しても、盗聴の対象が制約され、スパイ潜入など共謀罪捜査用の手法は十分に整えられていなかった。しかし16年通常国会の刑事訴訟法等改悪は、司法取引導入、一般犯罪に対象を拡大し自動盗聴を可能にする改悪盗聴法などの新捜査手法を検察・警察に与えた。警察庁は更に室内盗聴まで狙っている。共謀罪立法によって一挙に戦時型司法が実働化するのだ。戦争国家・治安管理国家化の全体像を暴露し、その結節点になる稀代の悪法を何としても永久に葬り去ろう。
戦争国家・治安国家・改憲に向かう濁流を共同の力で止めよう!
今通常国会は、労働法改悪、日・米(英・豪)物品役務相互提供協定、天皇代替り法や憲法審査会本格始動など難題山積みであり、なかでも共謀罪は最大の対決法案になる。法務委員会は民法・商法大改正を審議中であり、共謀罪法案の審議時間が十分に取れる状況ではない。しかしあえて対決法案の共謀罪を国会上程するのは、反対論議が広がる前に短期間に強権で突破する、デマで野党や世論を籠絡できると妄想しているからだ。
私たちは昨年新たに、反戦・反基地を闘う仲間と対〝テロ〟戦争反対を軸に共同して伊勢志摩サミット・南スーダン派兵・共謀罪に反対するデモや集会をかちとった。また日の丸・君が代強制や医療観察法に反対する仲間との改憲阻止に向けた討論を続けている。3月にはこの二つの流れが、それぞれの課題に固執しながら、課題を超えて戦争・治安・改憲NO!の総行動を行う。法務省・警察庁・厚労省・外務省・財務省・文科省など官僚中枢に怒りを叩きつけよう!
〝本気で勝ちにいく〟ことを合言葉に、約20年に渡って組対法・共謀罪と対決してきた私たちにとって、文字通り正念場の春である。誰もが、巨大な濁流をどう止めうるか、のっぴきならない形で問われている。共に闘いぬきましょう。
・2月21日(火)国会行動 8時半~13時 衆議院第二議員会館前
・2月27日(月)共謀罪法案検討・討論会 18時~21時 佃区民館 月島駅下車 会場費500円
・3月4日(土)戦争・治安・改憲NO!共同集会 講演:纐纈厚さん(山口大名誉教授)18時~21時 文京区民センター3A会議室 会場費500円 戦争・治安・改憲NO!総行動実行委
・3月13日(月)戦争・治安・改憲NO!霞が関デモ 18時:日比谷公園霞門集合、18時半デモ出発~20時頃に日比谷公園解散 総行動実行委
2017年1月26日記
(石橋新一/破防法・組対法に反対する共同行動)
11.20 天皇制いらないデモ実行委員会( http://tennoout.hatenablog.
= = = 以下をご明記ください= = = =
「11.20 天皇制いらないデモ(吉祥寺)」への右翼・警察一体のデモつぶし
●お名前(個人または団体)
●肩書(あれば)
●公開可否 可 または 否
→ 送り先メール tennoout@gmail.com
「11.20 天皇制いらないデモ(吉祥寺)」への右翼・警察一体のデモつぶし
2016年11月20日、私たちは、吉祥寺駅周辺において「
2017年2月2日