9月19日、安全保障関連法案が参院本会議で成立した。この間、多くの市民がこの法案に反対し、国会前や日本の各地で集まり抗議行動を繰り広げた。そして、市民は8月30日、9月14日と国会前車道の全面解放を勝ち取り抗議行動を行った。これに危機感を持った警視庁公安部は市民への弾圧体制を強めていった。
9月14日に1名、15日に3名、そして16日には13名もの市民が逮捕された。13名のうち7名は既に釈放されたが、6名が勾留決定され、今もなお、不当な取り調べを強要されている。しかし、これらの逮捕は全くの不当逮捕である。逮捕時の容疑内容と勾留されてからの容疑内容が違っていたという訴えがある。何よりも逮捕時の機動隊による暴行は目に余るものがある。殴る、蹴る、突き飛ばす、複数で押さえつけるなどして、抗議の声を上げているだけの市民を現行犯逮捕したのである。この逮捕の状況は現場から生中継されており、また、現場で目撃したものによる証言も複数ある。警視庁公安部主導のもと、公務執行妨害などがでっち上げられ、次々に逮捕していったのである。
被逮捕者への弾圧は、このような不当な逮捕・勾留だけでなく、「怪我を病院でみてほしい」という訴えに対して、「連休明けでないと病院には行けない」などと言い、これに激怒した複数の市民が品川署に抗議の電話をかけるなどして、ようやく病院に連れていくなど、人権侵害は甚だしい。
短期間に20名近くの市民を逮捕し、いまだ、10名近くが勾留されている。
また、沖縄辺野古新基地建設反対運動の現場でも、抗議行動に参加する市民を17日、18日と連続で、そして、22日にも不当逮捕している。安全保障関連法案に反対する国会前の市民と辺野古の米軍基地建設に反対する市民へのこのような大弾圧は連動している。わたしたちは、このような弾圧を見過ごすことはできない。それだけ、安全保障関連法案が市民の気持ちからかい離していたことは間違いなく、法案成立後も反対運動は続くだろう。それに対しても政府と警察は弾圧していくのか?暴力で市民の思いを封じ込めていくのか?これが民主主義なのか?今、この状況を黙って見ていれば、きっと、この国で、市民が反対の声をあげることはできなくなるだろう。そんなことはさせない。わたしたちは、弾圧に屈することなく、政府が間違ったことを無理やり通そうとすれば反対の声をあげるのだ。この弾圧は、弾圧された市民個別の問題ではない。すべてのモノ言うものたちに向けられた弾圧である。わたしたち福岡市民救援会は、弾圧には屈しない。弾圧されたものを救援し、共に闘っていく。
弾圧するもたちに言う。
一刻も早く、勾留している市民たちを解放せよ!
暴力的な不当逮捕・家宅捜索に抗議する!
保護房を使った弾圧を今すぐやめろ!
すべての弾圧をやめろ!
2015年9月22日
福岡市民救援会