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抗議声明

強制採血と「取調べ拒否者」の取調室への強制連行に抗議する
2023 年12月25日
救援連絡センター
東京都港区新橋2-8-16 石田ビル5階

【抗議及び要求】
1,牛込署4番(A)さんへの強制採血は違憲、違法であり、これを暴力的に強行したことに抗議し、強制採血した血液の返還とDNAデータの廃棄を求める。
2,取調べを拒否したAさんに対する取調室への強制連行に抗議する。

【事実経過と抗議及び要求の理由】
1、事実経過
昨年11月1日、Aさんは「有印私文書偽造・同行使」罪で警視庁公安一課によって令状逮捕され、同年11月21日まで牛込署に留置された。その後不起訴となった。
11月3日、Aさんは、公安一課・齋田匡史より「DNA鑑定のための口腔内粘膜採取同意書」への同意を求められたが即座に拒否したところ、齋田は「拒否すれば令状とって強制的に血液採取するぞ」と恫喝した。
11月10日午前9時すぎ、Aさんは「検事調べ」と嘘をいわれて車に乗せられ、警察病院に連行された。その車中で「令状がある。強制的に採血する。警察病院へ行く」と通告されたので、Aさんは即座に拒否を表明した。
しかし、警察病院で待ち受けていた公安一課・新屋武史ら合計約8名に暴力的に制圧され、鑑定処分許可状らしきもの1枚だけ見せられ、両脇を抱えられて宙吊り状態で採血室に入れられた。そこでベッドに5人がかかりで体を押さえつけられ、二度針を刺され採血が強行された。この間Aさんは腕をねじり「でっち上げは許さない」と叫び続けた。
Aさんは、この違法不当な強制採血に抗議して、この日の午後から「取調べ拒否」を通告し、房から出ず、取調べに応じなかった。
ところが、11月20日14時すぎ留置係が3人で(いつもは2人)「取調べ」呼び出しに来た。「調べだ。受忍義務がある。私たちもこうしたり(脇を抱える仕草)したくないし…。出ないか?」というが、拒否すると留置係が7~8人やってきた(うち一人はカメラを回す)。そして「警告します。あなたには取調べ受忍義務があります」と手書きしたホワイトボードをかざし、横たわっているAさんの房内に上がり込み、両足両脇をかかえて車椅子に乗せた。そうして前手錠をし、腰縄を車椅子にくくりつけて、留置場外で待つ警視庁公安ら7~8名に引き渡した。
公安警察官らは、車椅子に乗せられたAさんの両膝、足首を押さえつけ、車椅子を後ろ向きで引っ張って取調室へ強制的に連行した。
取調室で待っていた公安一課・齋田匡史、関谷耕平らは、「椅子に移れ、このままじゃ調べができない」「みっともない、だだこねて」「これが完黙の闘いか」などと罵倒しつづけた。
しかし、Aさんは、取調室でも拒否の姿勢を貫いた。こうしたAさんの闘いに圧倒され、公安らは「これでは調べはできないな」とつぶやき、取調べをあきらめ、留置場へ戻した。

2、抗議及び要求の理由
本件強制採血は違憲、違法である。強制採血に必要としている「身体検査令状」は一切示されていない。嘘をついて警察病院に連行し、暴力的に採血を強行した過程全てが不当である。
このような違法に収集した「証拠」を捜査機関が保管し続けることは許されない。即時、採取した血液を返還し、DNAデータを廃棄せよ。
Aさんの取調室への強制連行は、違法である。Aさんには取調べ受忍義務がなく(刑訴法198条2項、319条1項)、憲法の保障する黙秘権の侵害である。さらに、留置担当者の行為は、「その留置施設に留置されている被留置者にかかる犯罪の捜査に従事してはならない」とする捜査と留置の分離の原則(刑事収容処遇法16条3項)に明確に違反する行為で断じて許されない。
かつて2013年6月、暴行容疑(ヘイトデモへの抗議)で原宿署に留置された被疑者が「取調べ拒否」を通告しているにもかかわらず、留置担当5~6名が房内に入ってきて「出ろ」と強引に取調室へ行くことを強制された事態があった。救援連絡センターに結集する弁護士が、事態を知って原宿署にかけつけ留置担当に抗議した際、留置担当者は「自分たちは、座学で実力行使はできない、と教わっている」と述べている。今回の事態はこれを真っ向から否定する行為である。
捜査当局は、取調室への強制連行の翌日11月21日、Aさんを釈放せざるを得なかった。釈放は当然としても、かつて1999年4月に国会でとりあげられた「女性とホテルに偽名で泊まった」元東京高検検事長の則定衛の私文書偽造・同行使事件(立件なし)や警察の組織的裏金づくり、検事総長のかけマージャン、公安警察による近時の大川原化工機ねつ造事件など、治安当局の問題は一切不問にされている。それが「国家権力と闘う人物」と見なされれば、選別的に「私文書」罪で21日間も勾留されただけでなく、強制採血、取調室への強制連行という暴力的処遇まで強いられるのだ。断じて許すことはできない。
われわれは、違憲・違法・不当・反人民的な「強制採血」、「取調べ拒否者」に対する留置場からの暴力的連行に抗議する。
Aさんへの謝罪、強制的に採血した血液の返還を行なえ!今後一切「取調べ拒否」者への実力行使をもった「取調べ」強要をやめろ!
以上

上記、抗議声明への賛同を募集しています。賛同される方は、2月末締め切りで、救援連絡センターあてにFAX、メール、電話、郵便にてお知らせください。
救援連絡センターとして、3月初めに、賛同団体・賛同者全員名で、抗議文を警視庁・東京地検・東京簡裁・牛込警察署・警察病院あてに送ります。

抗議声明賛同団体・個人(2024年2月29 日現在)
【賛同団体】
大坂正明さん救援会、沖縄戦と朝鮮人強制連行を記録する会、オリオンの会、解放派弾対部、革共同救対部、関西合同労働組合、共産同統一委員会弾対部、迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会、公安警察解体!反弾圧・反警察運動、三里塚芝山連合空港反対同盟、三里塚を闘う全国「障害者」解放委員会、三里塚野戦病院、人民新聞社、杉並救援会、全障連九州ブロック、全日本建設運輸連帯労働組合関西ゼネラル支部、同関西地区生コン支部、同朝日分会、同天城分会、同京津ブロック、同滋賀ブロックサクラリース分会、同新淀分会、同タイコー枚方分会、同タカラ運輸分会、同TYK高槻分会、同奈良ブロック、同灰孝バード分会、全日本建設運輸連帯労働組合近畿地区トラック支部、同近畿地方本部、組対法攻撃と闘う会、立川自衛隊監視テント村、反安保労研全国センター、福岡市民救援会、福岡築港日雇労働組合、福岡地区合同労働組合、横浜生活保護利用者の会 (以上36団体)

【賛同者】
浅野史生、一瀬敬一郎、上野雅生、遠藤憲一、大口昭彦、小川原優之、尾嵜裕、岡田基志、川村理、鈴木宏一、武内更一、辻恵、土田元哉、永嶋靖久、西村正治、野村修一、長谷川直彦、松本淳、用澤義則、山本志都、吉田哲也、和久田修(以上22弁護士)
青木和也、赤川純、秋月昭麿、荒川勝彦、安藤裕子、石原朱美、井上清志、岩井茂雄、岩本乾治、宇保賢演、浴田由紀子、榎本愛美、遠藤美保子、大賀英二、大澤卓司、大山千恵子、岡嵜啓子、岡田雅宏、小川智子、尾澤孝司、垣沼陽輔、兼杉美枝子、上月民夫、木村薫、木村義樹、亀田博、楠山忠之、久世裕子、栗原功治、黒岩大助、河野道夫、小松健彦、斎藤隆史、桜井隆夫、指出顕、佐藤加代、佐藤保、佐野公保、佐無田義己、重信房子、小路健太郎、柴崎裕、杉浦文俊、杉山道広、関充明、高橋恒夫、高濱真一、武洋一、田中一平、田中七重、辻忠男、土屋翼、津波リーラン、豊島正悟、友永ゆかり、内藤雄二、中野香代、中山吉人、七牟礼時夫、新村明一、西島大輔、西田幸生、西山直洋、西村トシ子、長谷川洋子、原田典之、張本効、平尾直弘、平田郁生、平野幸男、弘田孝明、福井紳一、福嶋聡、藤井健一、藤田学、古澤正夫、本多伸行、前田朗、前田祐一、松尾聖子、松尾龍一、松平修平、松村憲一、水谷佐和子、三角忠、水戸喜世子、皆川義幸、ミナモト千里、矢島竜次、山際敏和、山本兼吉、山本智、吉井康彦、吉岡滋子、吉田晃、吉田修、渡辺亜人、渡辺真臣、渡辺好子、中野真樹子

 (以上99人)抗議声明賛同団体・個人(2024年3月14日現在)

抗議声明 署名表抗議声明 署名裏署名お願いします。


救援連絡センター

デモや集会で逮捕された場合は、救援連絡センターへ

東京都港区新橋2丁目8-16石田ビル5階
03-3591-1301(ゴクイリ イミオーイを覚えよう!)

救援連絡センターの財政基盤は機関紙「救援」購読料、協力会費、カンパのみです。センターの活動を支えるためにも多くの人に「救援」読者・協力会員になって下さるようお願いをする次第です。

購読料は開封4500円、密封5000円、協力会費は月一口1000円(救援を無料で送付)です。住所、名前、購読料と協力会費の別などを明記して郵便振替でお申し込み下さい。
口座は00100-3-105440「救援連絡センター」です。

その他の出版物として、逮捕された時のための「救援ノート」
(500円)があります。「救援ノート」の送料として90円も入れてもらえると助かります。


新代表弁護士 大口昭彦

<ご挨拶>

弁護士  大口昭彦  このたび前任の葉山岳夫弁護士を引継ぎ、救援連絡センターの代表弁護士に就任致しました。

<極右政治家安倍元首相>政治は終わりましたが、しかし例えば、とりわけ沖縄に集中する軍事大国化、国際的人権保護に逆行する入管・難民認定法改悪、核武装を意図した原発推進政策、成田に於ける赤裸々な農民弾圧・農業破壊攻撃等々、日本政府の、その反人民的路線はむしろ、更に露骨なものとして強行されてきています。

平和・人民福祉の実現のための、人民の国際的な連帯した闘いが、ますます重要なものとして要求されて来ています。

このような情況に於いて、50年間以上、「獄入り意味多い(3591-1301)」「センターの指定する弁護士を選任する」のスローガンと実践的方針の下、全ゆる闘争・運動の現場に根ざし、固く団結し、違法不当な弾圧に対して一歩も退かず闘い抜くことを理念としてきた、救援連絡センターの重要性は明らかです。

ところで、センターが現在直面している課題としては何よりも、「統一救援・救対の追求」「共通弁選の堅持・一層の全国的普及の追求」があります。人民の分断孤立、資本・権力支配秩序への包摂強化こそは、現在の司法制度改悪の柱であり、センターが全力を以て闘うべきものであります。

例えば、2018年以来の未曾有の労働組合弾圧である関西生コン弾圧に於て、「個別弁選」強要政策が、猛威を振るっている現実があります。私たちは「統一闘争・統一救対」の思想的・組織的実践の重要性を繰返し確認しつつ、闘いを進めてゆく必要があります。

また、公判闘争を破壊し、刑事司法実務の根本的バーチャル化・人民からの遮断が策されている、刑事更には民事手続のIT化政策、公判前整理手続攻撃に対して、いかに闘かってゆくのかも、大きな課題です。

更には「取調・出房拒否」闘争についてセンターでの議論はなお継続中でありますが、国際的批判にもかかわらず、遅々として進まない代用監獄制度廃止・代用監獄での取調強行を前提とした勾留実務に対しての闘いの推進も、センターの重要な課題であります。

足立昌勝代表を中心に、センターがその任務を担い、課題を実現してゆけるよう、微力を尽くしたいと思います。

よろしくお願い致します

新代表弁護士 大口昭彦
大口昭彦弁護士