救援連絡センターの原点  代表就任にあたって   代表 足立 昌勝

一昨年12月、国民の反対の声を踏みにじって、安倍政権は、特定秘密保護法を強行採決し、成立させた。そこでは、外交秘密、防衛秘密、テロ情報、警察情報が守られるべき秘密とされた。本来ならば、テロ情報や警察情報は、秘密の範疇には入らないものであるにもかかわらず、保護対象とされたということは、自衛隊が国内や海外で活動するためには、国内での不安要素をなくしておく必要があり、そのための警察権限の強化であり、抑圧体制の確立である。
また、昨年七月には、集団的自衛権についての閣議決定を行った。この閣議決定によって、今国会で議論され、多くの国民が反対している戦争法案へ道を歩み始めたのである。国会では、圧倒的多数の国民の声や国会を取り巻く「廃案」の声を無視し、戦争法案が参議院特別委員会・本会議で強行採決された。法案成立後に、「これから丁寧に説明すれば、国民は理解してくれる」と主張する安倍政権の強圧的かつ傲慢な姿勢が目についてならない。
さらに、今国会では、冤罪防止を目的とし、極めて少ない範囲での取調べの録音・録画を容認しながら、盗聴対象犯罪の大幅拡大と立会の廃止、司法取引の導入という、まったく冤罪防止とは正反対の内容を一つの法律案にまとめ上げた「刑訴法等の一部改正案」が審議されていたが、衆議院では、与党と民主・維新の党との間で、全く内容には変化のない「修正」が行われ、法務委員会・本会議で可決され、参議院に送付された。この法案は、特に、盗聴対象犯罪を従来の組織犯罪である四類型に限定されていたものを、振り込め詐欺の防止を目的とし、窃盗、詐欺、恐喝などの一般刑法犯にまで広げようとしている。これは、盗聴法を質的に転換させるものであり、今後は、警察の必要性判断で対象犯罪を増やすことを認めてしまうことになるであろう。
この盗聴対象犯罪の大幅な拡大は、警察による国民監視を強め、国家にとっての「悪しき人間」を、通信を通じて監視し、管理を行うことになる。司法取引では、仲間を警察に売り渡すことを容認するものであり、この手法を通じて、警察は、戦争に反対し、平和を志向する組織内に入り込み、組織を解体するために使用するであろう。
このような安倍政権の動きは、国民が国家の主人公であるという国民主権の原則を無視し、「自分が憲法解釈の責任者だ」という独裁者思考をますます強めるであろう。そこでは、国民は、「民ハ由ラシムベクシテ、知ラシムベカラズ」の原則の下で、被統治者の立場にされてしまう。これは、国民主権とは真逆である。そして、その先にあるのが、基本的人権を国家主義にすり替え、憲法九条を破棄して国民を戦争に動員する改憲攻撃であることは全ての危機意識を持っている方々と実践的認識を共有しているものである。
このような現状においては、被疑者・被告人の権利を守り、治安強化を図る悪法に反対する救援連絡センター(以下、「センター」と略称する。)の役割は、ますます重要になってくるであろう。その場合、私たちの闘いは、どのように進められるのであろうか。
まず最初に、センターの役割と原則を確認しておこう。これについて、センター設立に関わられた水戸喜世子さんは、次のように述べている。

68年12月から69年4月まで3回の機関紙を発行し救援連絡センターに引き継がれていきます。私たちが願った形は、①誰でも逮捕されたら弁護士に来てもらえる(弁護士事務所分室でなければならない)。②最新の弾圧事情をみんなに知らせる機能をもちたい=最低限の機関紙を持つ。機関紙上では毎月会計報告をして鉛筆一本に至るまでカンパの使途を明らかにする。厳密に救援に限定しなければならない。③特定の党派の思想的介入に左右されない、ということでした。
 これはセンターの二大原則(略)として文章化されました。

この二大原則を現時点で確認することの意義は大きい。
このような経緯を経て69年3月末に、救援連絡センターは発足した。
水戸さんの御提起の重要性は時代の変遷とともにますます明らかになってきている。センターは、広範な支援者、人権に敏感な弁護士、そして救援活動に日夜苦労して来られた事務局員,運営委員などの固い意志と行動によって原則を守り作り上げて来た。
救援連絡センターには、二大原則が存在する。「規約」には、次のように規定されている。

3 目的
本団体は、
一、国家権力による、ただ一人の人民に対する基本的人権の侵害をも、全人民への弾圧であると見なす。
二、国家権力による弾圧に対しては、犠牲者の思想的信条、政治的見解の如何を問わず、これを救援する。
との二大原則に基づき、全ての被弾圧者の人権を擁護する活動を行うことを目的とする。

従来の経緯から、救援の対象にならないものも存在する。それは、センターに敵対し、暴力をふるって、反省の一言もなく今も平然としている革マルであり、新左翼勢力には人権は存在しないとして、弁護活動を拒否した共産党である。それ以外のものについては、センターに敵対的でない限り、二番目の原則に基づき、「思想的信条、政治的信条の如何を問わず」救援することが目的となっている。センターは、民衆の間に入り、要望があり、センターに余力がある場合には、その事件も受ける方向で検討すべきである。
以上の原則の上に、更にセンターの闘争上の行動準則(被疑者・被告人と国家との対決の場における被疑者・被告人のとるべき態度)として「完全黙秘・非転向」が存在する。これは、半世紀に近いセンターが一連の爆弾冤罪事件救援や、三里塚・国鉄闘争、あるいは破防法型弾圧諸闘争等々救援の中で実践的につかみ取り確立してきたものである。司法取引が現実化されようとしている現情勢においては、更に「取調拒否」の方針も展望される必要があるであろう。センターの現場ではすでにその実践が開始されている。歴史上の諸冤罪闘争や団体司法に対する闘争、先哲の努力に学び、センターとして更に有効に歩を進めてゆくための研究と議論を、全員の力で積み重ねていくであろう。

2015-10-16 PM-15:14

代表就任要請を受諾する   足立昌勝

9月26日に開催された救援連絡センター運営委員会で、山中事務局長の提案した「足立昌勝さんを救援連絡センター代表に就任要請するについての報告」が参加した運営委員の圧倒的多数で確認されたことを受け、私は、「闘います」と応えました。
代表問題が議題になったとき、山中事務局長から「就任要請についての報告」がなされたが、前回運営委員会の結論を認めない人たちは、そのことから遡って問題にしようとしていました。前回決定の正当性については、すでに議事録で確認されていることであります。
終了時間の5時が近づくと、怒号が飛び交い、議長の議事進行もままならない状況に陥りつつあったが、三角議長の的確な判断により、「就任要請についての報告」の通り進めることについての採決が行われ、圧倒的多数で「報告」が確認されました。
私の「闘います」との発言は、代表就任の要請を引き受ける意思を示したものであります。代表問題で現れた運営委員会での決定的対立の根深さは抜き差しならないものがあります。私は、この発言により、救援連絡センターの原点に立ち返り、「①国家権力による、ただ一人の人民に対する基本的人権の侵害をも、全人民への弾圧であるとみなす。②国家権力による弾圧に対しては、犠牲者の思想的信条、政治的見解の如何を問わず、これを救援する。」という二つの原則に立つことを鮮明にしました。
救援連絡センターに結集する皆様の絶大なるご支援とご協力を仰ぎたいと思います。今後とも、よろしくお願いします。

2015-10-16 PM-15:02

足立昌勝さんに代表就任要請

この間、空席の状態が続いた救援連絡センターの代表に、足立昌勝さん(関東学院大学名誉教授)に要請することを、6月26日の運営委員会において、あらためて確認し、足立昌勝さんも受諾されたことを報告します。
 代表問題は、この間、救援連絡センターの懸案であり、昨年12月、今年2月(臨時)、6月の議論を経て、今回の確認を実現しました。
 今後、足立昌勝代表、葉山岳夫代表弁護士の下で、救援連絡センターのより一層の発展と強化を実現して行きたいと思います。
 足立昌勝さんの「代表就任受諾」の挨拶と、「代表就任にあたって」の決意を掲載します。
   事務局長 山中幸男
2015-10-16 PM-14:56

宮下公園ナイキ化反対!国家賠償請求訴訟に勝利したぞ! 渋谷区は宮下公園をナイキ化以前の原状に帰し、原告など公園の利用者に謝罪しろ! 「新宮下公園計画」を白紙に戻せ!

●宮下公園ナイキ化計画とは何か

渋谷区は、スポーツメーカー・ナイキジャパンに区立宮下公園のネーミングライツ(命名権)を売り渡す。ナイキジャパンは自費で宮下公園を改修、有料の施設を設け公園の利用者をふるいにかける。宮下公園はナイキジャパンの広告塔となり、当然にも野宿者、貧困者は公けの園から追い出される。渋谷区は、この計画を水面下で推し進める…。

ナイキ化計画の存在が発覚したのは、2008年5月のことでした。その後、ナイキジャパンは宮下公園の改修などの総工費4億円を全額負担し、渋谷区にネーミングライツ料として年間1,700万円を支払う計画である旨、マスコミにより報じられました。もちろん私たちは、このナイキ化計画に繰り返し異議を唱えました。が、ナイキジャパン、渋谷区が、私たちの声に耳を傾けることはありませんでした。

●突然の全面閉鎖

そして渋谷区は、2010年9月15日早朝、何の予告もなく宮下公園を全面閉鎖し、同年9月24日には、行政代執行によりテントなど私たちの私物を撤去してしまいました。全面閉鎖の当日、渋谷区の職員、警備員に園外に追い出され――それも、からだごと担ぎ上げられて!――ケガを負ったのが、原告の元宮下公園野宿者です。

渋谷区とナイキジャパンが交わした協定書では、宮下公園は「宮下NIKEパーク」とネーミングされていました。しかし、渋谷区もナイキジャパンも世論の批判を恐れたのか、現在では、両者とも宮下公園を平仮名で「みやしたこうえん」と表記しています。

●強制退去もナイキ化計画も違法との判決を勝ち取る

2011年4月20日、私たちは、東京地方裁判所に渋谷区を被告とする国家賠償請求訴訟を提起しました。それから4年、今年3月13日、判決が下されました。

その内容は、

(1)渋谷区による元宮下公園野宿者への強制退去は違法

(2)①渋谷区による元宮下公園野宿者への所有物の除却命令は違

②渋谷区が所有物の除却を命令するさいの、のじれん、守る会に対する弁明機会の付与通知

の手続きは違法

ナイキジャパンと渋谷区との契約自体においても、

(3)区議会の議決を経ていないので違法

(4)ナイキジャパンとの契約は一般競争入札の原則に反する随意契約でありこれも違法

とする画期的なもの(他方で、行政代執行それ自体の違法性を認定しないなど不当な点も指摘できますが)。しかも東京地方裁判所は、まずナイキ化ありきという渋谷区の姿勢が(3)(4)を招き、(1)(2)を導いた、との私たちの主張を認めたといえるのです。東京地方裁判所は、渋谷区に対し元宮下公園野宿者への11万円の賠償を命じました。公園は一企業のものではなく、みんなのものだ! 私たちの訴えが、多少ではあれ汲み取られたと評価できます。

案の定というべきか、敗訴を受け、3月26日、渋谷区は東京高等裁判所に控訴しました。が、9月17日、控訴は棄却され、原判決が維持されました。渋谷区は上告を断念、10月1日、私たちの勝訴が確定しました。

現在、宮下公園は、違法な手続き・契約の下に改修された違法な状態にある公園である、といえます。今こそ渋谷区は、司法による判断を重く受け止め、元宮下公園野宿者を始めとする公園の利用者に謝罪して、宮下公園をナイキ化以前の原状に帰すことを決断するべきです。夜間の開放、監視カメラの撤去は当たり前、宮下公園の「再整備」などもってのほかです。

●「新宮下公園計画」を許すな

このかん渋谷区は、宮下公園の「再整備計画」なるものを準備してきました。「宮下公園を現在の二階建てから三階建てのビルにし、運動施設はもちろん商業施設も設ける」「施設の屋上が『新宮下公園』となる」「なお、公園の原宿側には高層ホテルを建てる」「ナイキジャパンとの協議? それはこれから」!? 今年3月の渋谷区議会・都市環境委員会(現/区民環境委員会)の席で、緑と水・公園課から、こんな計画が練られていることが報告されました。これが実現してしまえば、宮下公園はもはや公園ではなくなってしまいます。

しかし、渋谷区はさすがに、これはナイキ化計画を超える強引なものであると自覚したのか、一方で、東京地裁での敗訴にひるんだともいえるでしょう、再整備計画は廃案に追い込まれました。

が、しかし、です。かつて宮下公園ナイキ化計画を区議会議員として推進し、去る4月、その職に就いた長谷部区長は「内容を検討し、いずれあらためて、区議会に整備計画を提出するつもり」としています。

加えて渋谷区は、2020年オリンピック・パラリンピックの開催を控え、都市再開発を加速させて、野宿者などの「ジャマ者」を宮下公園はおろかあらゆる公園から追い出そうとしています。今、渋谷区が構想している「ホームレス対策」(「アイリブ
シブヤ・プロジェクト」と呼ばれているそうです)が、排除のための受け皿となってはなりません。

一切の排除を許さない闘いをともに! (2015.10.13)

宮下公園ナイキ化反対!国賠訴訟原告団

渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合(のじれん)

みんなの宮下公園をナイキ化計画から守る会(守る会)

宮下公園アーティスト・イン・レジデンス

元宮下公園野宿者

東京都渋谷区東1―27―8(202号)

070(6511)0639

http://minnanokouenn.blogspot.jp/

2015-10-14 AM-11:40