安倍政権の暴走に抗議する市民を抑圧する不当逮捕を許さない

2015年夏、安倍政権による集団的自衛権行使容認、戦争法制の制定に抗議する国会前の行動は大きな高まりを見せた。この行動の中で、8月30日の「国会10万人・全国100万人大行動」以降、参議院で戦争法案の強行採決がなされた9月19日未明に至るまでの間に、私たちが把握しているところによれば、公務執行妨害等の容疑で20名以上の市民が不当に逮捕され、身柄を拘束された。

とくに9月16日は、参議院の特別委員会で戦争法案が強行「採決」されたことに抗議し、多くの市民が国会前に詰めかけたことから、警備当局の対応が激化し、この日だけで13名もの市民が逮捕された。これは、立憲政治を否定する安倍政権に対する市民の正当な抗議を抑圧しようとするものであって、私たちは断じて容認できない。

前記被逮捕者中、本日現在、なお6名の市民が勾留され、身体の自由を奪われている。私たちは、警備当局に対し、前記6名を直ちに釈放するよう要求する。あわせて、前記6名の救援活動をしている人々の要請を考慮しながら、私たちとしても、前記6名の釈放のために必要な行動をすることを明らかにする。

2015年9月24日
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会

 

9・15−16戦争法弾圧を徹底弾劾する!   2015.9.23 全日本学生自治会総連合(伍代委員長)

国家権力は、戦争法案に反対する国会前闘争の場において、9月15日に3名を、同16日には13名を不当逮捕し、勾留を決定した。この不当弾圧を徹底弾劾する。今なお勾留されている同志を含む全員をただちに釈放せよ!

●同志への狙い打ち弾圧と暴行の集中を許すな!
国会前闘争は戦争法案の強行採決に進む安倍政府への怒りが大きく爆発した。権力は労働者人民の怒りと闘いが実力闘争として爆発することを恐れ国会前の道路を封鎖していた。しかし、14日には権力の規制の象徴である鉄柵を突き崩し、その封鎖を突破し国会前面に集結する闘いが果敢に闘われた。多くの労働者・人民が国会を防備する権力・機動隊に身体を張って立ち向かったのである。この日までに多くの人々が抗議し、個別逮捕が強行されていた。
その闘いを恐れ敗北的に総括した権力は、翌15日に封鎖を強化した。その日、すでに鉄柵攻防を多くの人民が闘っていた。その闘いに合流した同志たちを狙い打ち的に地面に引き倒し、数人がかりで腹や顔面を蹴り続け、「公妨」で不当逮捕したのである。赤坂署3号同志は、左胸打撲・後頭部強打・顔面に数ヵ所の裂傷を負った。下手人機動隊どもを絶対に許さない。
しかし、次の日も闘う労働者・人民は弾圧に屈せず、戦争法特別委員会採決阻止を掲げて国会へと進撃し続けたのだ。大量の機動隊・公安を投入した警視庁は、二重の鉄柵をさらに結束し、国会前の道路という道路を機動隊バスで埋め尽くしたが、それが人々の怒りの火に油を注いだ。前日を数倍する「不当な封鎖をやめろ!」「警察帰れ!」のコールが国会前に広がった。労働者・人民があちらこちらで鉄柵を押しのけ突撃した。この闘いが委員会採決強行を阻止したのだ。機動隊は声をうわずらせ、引き倒し殴る蹴るの暴行を加えた。そして指揮者が「対象に注意しろ!」と叫び、13名を狙い打ちで逮捕したのである。このむき出しの攻撃にあっても決起した労働者・人民は全くひるむことなく、奪われかけた仲間を何度も隊列へ奪え返し、非妥協の闘いを貫徹した。
我々全学連と全国反戦をはじめとした仲間たちは、15日即日に警視庁、16日麹町署への弾劾行動を叩きつけた。その後も数波に渡って不当弾圧弾劾の闘いを継続している。
戦争法と弾圧は一体だ。15年戦争は治安維持法弾圧と一体で凶行された。戦争立法粉砕の闘いの過程でもそれが証明された。弾圧を粉砕して戦争法を粉砕しよう。

●獄中同志たちの実力での闘いと結びつき、弾圧を粉砕しよう!
この不当弾圧に対する怒りの完黙─非転向闘争が獄中で爆発している。獄中3同志は、完黙─非転向の闘いの延長としての”取り調べ拒否“の闘いに決起している。地検押送、裁判所押送も拒否した。権力は蒼白になり、房内で対峙する同志に暴行を加えながら引きずり出そうとし、数人がかりで車いすに縛りつけ、強制的に連行した。赤坂署3号同志には、取り調べ拒否の闘いを憎悪して、4日間連続の「保護房」弾圧がかけられている。絶対に許さない!この獄中同志の不屈の闘いに何としても連帯しよう。
完黙の闘いとは、取調官の言葉や罵倒に対し耳を閉ざし黙っていることではない。単に情報を与えないというだけでもない。「こんな奴らと交わす情など何もない」と幾重にも捉え返し、怒りを鮮明にし、敵との対峙線を鮮明にする闘いである。それは決して楽な闘いではないが、しかし最も敵に対して強力な”攻撃“であり、獄中で何があっても闘いに挑むという非妥協の実践的態度である。
「喋れば早く出られる」という言い分は、決して許してはならないはずの不当逮捕に自ら判子を押すものである。不当逮捕された仲間たちも完黙・「取り調べ拒否」で果敢に闘いぬいている。弾圧に対しては完黙—非転向で闘おう。
国会・政府・裁判所が一体であることを鮮明にし、警察・検察・裁判所、そして監獄─すべての弾圧機関の反人民性を暴露し解体する闘いを、獄内─獄外貫いて闘おう。

●不当弾圧と闘い、革命的分岐を促進して戦争粉砕・政府打倒へと闘おう
49年に及び〈徹底非妥協・実力闘争〉〈労農水「障」学共闘〉を貫き「日本階級闘争の金字塔」として闘いぬき、今まさに決戦の時を迎えている三里塚闘争にこんな逸話がある。その闘争が始まって1年になる頃、測量杭打ち阻止の闘いに集まっていた反対同盟を、機動隊の大部隊が突然の有無を言わせぬ暴力でなぎ倒してきた。これに屈せずあらん限りの抵抗を行う反対同盟の横で、日本共産党はマイクで「みなさん警察の挑発に乗らないでくださーい」と言い、血を流して闘う同盟の横で歌を歌い始めたのだ。これを機に反対同盟は日共と訣別し、その後の不屈・非妥協の歴史へと突き進んでいく。
これと全く同じことが国会前で起きていた。そう、人民が身体を張って機動隊の封鎖と闘っているその時、日共・民青に連なる連中は「弾圧粉砕!」のコールをかき消すように、国会に背を向けて自己満足的なコールを挙げ続け、そればかりか機動隊の暴力と弾圧に共に闘おうと訴えた人民に対し罵倒し制動をかけたのだ。
17日には国会前へ向かおうとする闘う部隊に対し「SEALDsの集会の実行委」を名乗る連中らが登場を阻止しようとし、スクラムを組んで体当たりし暴力をもって排除しようとしてきた。「おまえらが挑発するから弾圧されたんだ」「過激派は帰れ」などと言い放ったのだ。攻防の最中、至る所からこの連中に対し「あなた達のやってることは不当な排除だ!」「こいつら公安と同じことをしている!」と我々と共に怒り、体当たりで排除を阻もうとする人民の姿があった。
戦闘的に闘う労働者・人民を「過激派」として排撃・敵対し、公安と肩を並べて闘う人民への排撃を煽る分子を断じて許さない。今こそ、日共のように体制内に甘んじ闘いへの制動・排撃に回るのか、三里塚のように国家権力に最も勝利しうる闘いを選ぶのか。闘いに決起しようではないか!全学連は〈実力・武装〉で、労働者階級解放の利害をかけて、労働者人民と共に闘いぬく。弾圧を真正面から打ち砕く。

安倍政府へ怒るみなさん! 今こそ弾圧と不屈に闘い、実力・武装の闘いをもって日帝国家権力打倒へ攻め上ろう。
戦争法成立徹底弾劾! 戦争突撃粉砕!
弾圧に総力で報復しよう! 弾圧機関を解体しよう! 同志たち被弾圧者全員の奪還をかちとろう!
安倍連合政府打倒! 国家権力解体へ!

ガサ入れ弾圧速報

21日、愛宕署の被逮捕者の居宅に家宅捜索が行われたことが弁護士によって確認された。押収されたものはなかったとのことです。

24日朝、「現代社」に家宅捜索が行われた。

24日昼すぎ、東池袋りべるたんに家宅捜索が現在行われた。

 

9・16国会前大弾圧を許さない!抗議声明

9月19日、安全保障関連法案が参院本会議で成立した。この間、多くの市民がこの法案に反対し、国会前や日本の各地で集まり抗議行動を繰り広げた。そして、市民は8月30日、9月14日と国会前車道の全面解放を勝ち取り抗議行動を行った。これに危機感を持った警視庁公安部は市民への弾圧体制を強めていった。

9月14日に1名、15日に3名、そして16日には13名もの市民が逮捕された。13名のうち7名は既に釈放されたが、6名が勾留決定され、今もなお、不当な取り調べを強要されている。しかし、これらの逮捕は全くの不当逮捕である。逮捕時の容疑内容と勾留されてからの容疑内容が違っていたという訴えがある。何よりも逮捕時の機動隊による暴行は目に余るものがある。殴る、蹴る、突き飛ばす、複数で押さえつけるなどして、抗議の声を上げているだけの市民を現行犯逮捕したのである。この逮捕の状況は現場から生中継されており、また、現場で目撃したものによる証言も複数ある。警視庁公安部主導のもと、公務執行妨害などがでっち上げられ、次々に逮捕していったのである。

被逮捕者への弾圧は、このような不当な逮捕・勾留だけでなく、「怪我を病院でみてほしい」という訴えに対して、「連休明けでないと病院には行けない」などと言い、これに激怒した複数の市民が品川署に抗議の電話をかけるなどして、ようやく病院に連れていくなど、人権侵害は甚だしい。

短期間に20名近くの市民を逮捕し、いまだ、10名近くが勾留されている。
また、沖縄辺野古新基地建設反対運動の現場でも、抗議行動に参加する市民を17日、18日と連続で、そして、22日にも不当逮捕している。安全保障関連法案に反対する国会前の市民と辺野古の米軍基地建設に反対する市民へのこのような大弾圧は連動している。わたしたちは、このような弾圧を見過ごすことはできない。それだけ、安全保障関連法案が市民の気持ちからかい離していたことは間違いなく、法案成立後も反対運動は続くだろう。それに対しても政府と警察は弾圧していくのか?暴力で市民の思いを封じ込めていくのか?これが民主主義なのか?今、この状況を黙って見ていれば、きっと、この国で、市民が反対の声をあげることはできなくなるだろう。そんなことはさせない。わたしたちは、弾圧に屈することなく、政府が間違ったことを無理やり通そうとすれば反対の声をあげるのだ。この弾圧は、弾圧された市民個別の問題ではない。すべてのモノ言うものたちに向けられた弾圧である。わたしたち福岡市民救援会は、弾圧には屈しない。弾圧されたものを救援し、共に闘っていく。

弾圧するもたちに言う。
一刻も早く、勾留している市民たちを解放せよ!
暴力的な不当逮捕・家宅捜索に抗議する!
保護房を使った弾圧を今すぐやめろ!
すべての弾圧をやめろ!

2015年9月22日

福岡市民救援会

9.16国会前大弾圧を許さない!6名の即時釈放を!辺野古リレー抗議声明

去る9月17日、沖縄県辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で、抗議に参加していた男性が、県警車両の車体を蹴ったとして「公務執行妨害」の容疑で逮捕されました。翌18日には市民ひとりが「道路交通法違反」の疑いで警察車両7台・機動隊50人に取り囲まれ、車の窓ガラスを割られて、抗議参加者の目の前で手錠をかけられて逮捕されました。
これは、9月14日に発表された翁長雄志沖縄県知事の「埋立承認の許可取り消し」に対する報復であるとともに、民意をいかに示そうとも、暴力で押し潰し、 新基地建設を強行していくという、沖縄の人々に対する日本政府の明らかな脅迫です。今後、このような暴力が、辺野古の陸で、海で、新基地建設に反対する沖 縄の人々に対してふるわれることは絶対に許せません。
また、9月16日には、国会前で安保法制に反対し声をあげる市民に対しても、一晩にして13人もが「公務執行妨害」で逮捕されるという許しがたい弾圧が行われました。9月18日に7名が釈放されましたが、いまも6名がバラバラに分散され、不当勾留されています。

この間国会前には、連日多くの市民が何とか安保法制の成立を止めようと集まっていました。しかし、「警備」と称する鉄柵や警察車両による道路の封鎖、警察官が参加者を歩道へ無理やり押し込むなど、歩道は身動きもとれないほどの混雑でした。転倒や事故にもなりかねない状況に、主催団体は過剰警備をやめ、車道を解放するよう、再三にわたって要請をしていました。警察はこれらの要請を無視し、さらに警備を増やして、徹底して市民の声を圧殺しようとしたのです。そのような中で今回の弾圧は起こりました。
被逮捕者の中には、辺野古新基地建設に反対し、ともにたたかってきた仲間も含まれます。その仲間たちは、辺野古で民衆による「非暴力不服従」のたたかいに学び、沖縄の人々に犠牲を強いる日米安保体制と日本のさらなる戦争国家化に反対し続けてきました。16日も、安保法制で一番の犠牲を強いられるのは沖縄であることに怒り、警察による過剰警備と暴力で市民の声を圧殺しようという政府のやり方に対して、多くの市民とともに抗議していました。
拡声器を使って声をあげていただけ、警察に連れていかれそうになる仲間を助けようとして仲間の体に掴まっていただけ。警察官に暴力をふるうどころか、触れてもいない、非暴力で抗議していた仲間たちを「公務執行妨害」と偽って連行したのです。他の逮捕者も逮捕時の状況にさほどの違いはありません。機動隊は、連行する際人目がないのをよいことに、本人たちを集団で蹴るなどしてケガを負わせています。逮捕後、品川署では、ケガをした当人が「病院に連れて行ってほしい」と訴えても、「連休中だから無理」と妨害しています。中央署では、取り調べで「お前は思想犯だ。政治活動をやめろ」などと脅し続けています。国によるこのような暴力は、辺野古においてふるわれてきた暴力とまったく同じも
のです。民意を踏みにじり、暴力を使って、安保法制は可決・成立されたのです。  警察による過剰警備と、仲間に対する不当逮捕に強く抗議します。そして、いまだに身柄を拘束されている仲間を一刻も早く解放するよう要求します。

私たちは安倍自公政権の民意の無視と暴力による恫喝を、とりわけ、沖縄の人々に対するこれ以上の犠牲の押し付けと差別を許すことはできません。米軍と、日 本政府に立ち向かい、しなやかにしたたかに闘いを続けてこられた沖縄の皆さんのたたかいに学び、私たちもひるむことなく、戦争反対・辺野古新基地建設の阻 止と、すべての基地撤去のために声をあげ続けます。

 

<9.16国会前大弾圧を許さない!6名の即時釈放を!辺野古リレーからの呼びかけ>

1:9月22日、23日、行動しよう!

・警察署への抗議と本人たちへの激励行動に集まろう!
9月22日(火)
中央署:12時に、東京メトロ「茅場町駅」12番出口 集合
品川署:14時に、京浜急行「新馬場駅」南口 集合
呼びかけ:学生ハンスト実行委員会http://blogs.yahoo.co.jp/hansutojitsu
辺野古リレー~辺野古のたたかいを全国へhttps://henokorelay.wordpress.com/
多くの方にお集まりいただき、「警察による不当逮捕を絶対に許さない!」と声をあげましょう!!

・多くの人々に弾圧のことを伝えよう!
「さようなら原発 さようなら戦争 全国集会」で抗議声明の
チラシ配りをします。
9月23日(水・休)12時、代々木公園ケヤキ並木入口(渋谷側入口)に集合。
http://www.labornetjp.org/EventItem/1440804448284ylaur

9・15ー16国会前弾圧の救援を訴えます。

戦争法案反対の声が国会を取り巻き、9月14日から18日にかけて連日のように逮捕者が出て、その数は20名にも及びました。救援連絡センターで把握していない人もいますが、わかっている逮捕者は以下の通りです。
逮捕の事実経過
全員が公務執行妨害での逮捕ですが、センターに弁護人選任依頼(以下弁選と略す)が入っていない人については詳細は不明です。
9月14日 2名逮捕→すでに別の弁護人がついていて、16日に検事釈放
9月15日 3名逮捕→うち2名はセンター弁選で10日間勾留中。2名とも逮捕時に暴行されて負傷している。取調拒否、指紋採取と写真撮影も拒否。許せないことに赤坂署は赤坂3号を4日間も拷問と隔離のための「保護房」に収容した。強く抗議する。
他の1名はすでに別の弁護人がついていて、詳細は不明。
9月16日 13名逮捕→うちセンター弁選は7名、13名全員が分散留置で深夜に弁選が入る。センターと総がかり行動実の内田雅敏弁護士を中心に13名全員に弁護士接見。逮捕時に暴行されて負傷した人もいる。18日に7名が検事釈放され、19日に6名が10日間勾留決定。うち2名が取調拒否、指紋採取と写真撮影拒否、検察庁・裁判所への連行も拒否したため、車いすに乗せられて連行された。
9月17日 1名逮捕(80歳の男性)→すでに別の弁護士がついていて詳細は不明
9月18日 1名逮捕(60代女性、カッターナイフ所持)→センターの弁護士が接見したが、すでに別の弁護士がついていたので、その弁護士に任せることにした。
センターとしては弁選が入らなかった人についても問い合わせまたは弁護士に警察署に行ってもらっていますが、すでに弁護士がついている場合は、こちらもそれ以上の対応はしていません。
現在、センターは15日の2名と16日の6名。計8名の救援を担当しています。
逮捕者それぞれの所属するグループで救援会を組織し、情報交換と集約のために随時全体の会議を開いて、協力しながらやっていくことになりました。
9月25日には勾留理由開示公判を予定していますが、裁判所が連休中のため、打ち合わせができていません。24日に最終的には決まります。
不当逮捕された仲間を一日も早く取り戻そう
この間、戦争法に反対する国会前の闘いは連日連夜、取り組まれ、全国から数万人の人々が集まり、安倍政権への怒りの声をたたきつけました。国会に近寄らせないための警備は高圧的で鉄柵と機動隊のバスで国会前に近づけないように弾圧態勢を強化し、戦争法案阻止の闘いを力づくで押さえ込もうとしていたのです。その警備の暴力に抗して、多くの人々が怒りの声をあげ、その中で上記のような逮捕者がでたのですが、逮捕時に被害者とされた機動隊委員が勾留請求時には別の警察官になっているなど公務執行妨害の罪名はでたらめで、でっち上げです。逮捕はねらい打ちであり、警察の暴力で転ばされて逮捕された人も大勢います。この事実を明らかにしていきましょう。
逮捕されたのは「過激派」であるとか、逮捕された側が悪いとして、今回の弾圧に対して冷ややかで、むしろ警察と一体になって批判している勢力がいますが、彼らの主張はまちがっています。
あの状況では誰もが逮捕される可能性はあったのです。逮捕された仲間を取り戻すために全力をあげて闘うのは、戦争法に反対する闘いと一体の闘いです。弾圧する国家権力と闘わずして、戦争に向かう安倍を先頭とする支配者と対決することはできません。過去の歴史を見ても、戦争を遂行する時代には治安弾圧もまた強化されます。弾圧に対しては反弾圧・反権力の闘いを共同して反撃することが重要です。
一日も早く仲間全員を取り戻すために、救援活動への支援を訴えます。

*弁護士と多くの人々の抗議によって、赤坂署の被逮捕者は23日午前10時に保護房から出された。

救援連絡センター

2015-09-20 国会前で弾圧された抗議者への救援を呼びかけます ■「戦争反対9.16弾圧愛宕救援会」声明

9月16日、警視庁麹町署は、戦争法案に反対して国会前での抗議活動を続けていた人々から13人をとつぜん連れ去りました。18日夜までに、そのうち7人が解放されましたが、いまなお6名の抗議者が都内6か所の代用監獄に監禁され続けています。

警察によるこの不当な逮捕・拘束には何の法的な正当性もありません。警視庁は抗議者に「公務執行妨害」容疑をかけています。しかし、逮捕された13人はいずれもそれぞれの場所と時間で抗議を続けていただけです。警察官に連れ去られる理由など微塵もないのです。

むしろ抗議への妨害を繰り返していたのは警視庁の警察官に他なりません。歩道に鉄柵を設けて抗議活動を妨害して人々を圧迫するだけでなく、16日の国会前に投入されていた大量の機動隊員は、抗議者たちに殴る蹴る、腕をつかんでねじりあげる、などの直接的な暴行を加えていました。

私たちが救援を呼びかける愛宕11号も、「戦争法制」に反対するために国会前の抗議活動に参加していた一人です。そして16日に行われた警察の暴力による被害を受けた一人です。国会前で、安倍政権は戦争に抗議する一人ひとりを、彼のように連れ去りました。そしてこの不当逮捕を跳ね返すことができなければ、今後も一人、また一人と連れ去られ監禁されることになります。

政府は憲法を破壊し日本が世界の人々と軍事的に敵対することを可能にしようとしています。これに反対する一人として、私たちは彼を一日も早く取り戻すための取り組みを始めます。みなさんに支援を呼びかけます。

2015年9月20日
戦争反対!9.16弾圧愛宕救援会

東京都渋谷区代々木4-29-4西新宿ミノシマビル2F
フリーター全般労働組合 気付

※カンパ口座は近日中にお知らせします!
※愛宕11号救援についてのお問い合わせは union@freeter-union.org まで

学生ハンスト実行委員会の9.16国会前弾圧に対する抗議声明

私たちは安保法案成立阻止、安倍政権打倒を掲げて8月27日から一週間ハンガーストライキをやり抜いた学生ハンスト実行委員会です。私たちは9月16日国会前でのハンスト実行委員会の関係者数名を含む13名の不当逮捕に対して抗議を表明します。

 

16日当日の国会周辺は機動隊と鉄柵、警察車両による凄まじい過剰警備が敷かれ、抗議参加者は狭いスペースに押し込められた結果、抗議開始当初から怪我人が続出する状況でした。その中で、車道の解放を求めて正門前にて警察に対して抗議をした人々が機動隊に力ずくで押し込められ、手当たり次第に次々と逮捕されました。ハンスト実行委員会の関係者もそこで複数名が逮捕されていますが全員不当逮捕としかいいようがありません。1人は、拘束されようとしている別の方の足を掴んで助けようとしたところをそのまま引きずられ、一緒に連行されましたが、取り調べでは「機動隊員に肘鉄を食らわせた」などと事実無根の容疑をかけられています。またある者は拘束された後に周囲を警官に囲まれ何度も蹴られるという度を越えた暴力を振るわれています。逮捕された13名全員が公務執行妨害の容疑をかけられており、6名が今もなお勾留されていますが、彼らは警察による表現行為の妨害と直接的な暴力に抗議していただけで、そのような容疑をかけられる謂れは一切存在しません。

 

8月30日と9月14日の国会前抗議での車道全面解放は安保法案に反対する市民たちの怒りの表現です。国会周辺を一面市民が埋め尽くす空撮写真は私たちの大きな励みになり、日本中、世界中の人々の目に戦争法案絶対反対の意志の巨大さを見せつけました。安倍首相と政権与党は国会前の抗議行動を恐れています。この間の国会周辺の過剰警備は彼らの恐れと焦りの表れにほかなりません。二度と全面解放をさせず、戦争反対の声を押し込めること。このことに彼らと警視庁は全力を挙げ、16日ついに全面的な弾圧と暴力を行使したのでした。しかし彼らがどれだけ弾圧を加えようとも、どれだけ直接的な暴力を振るおうとも、私たちの戦争反対の訴えを押しとどめることはできません。民衆の集合は、どのような暴力にも、非暴力で立ち向かい、打ち勝つことができる。これは世界中の私たちの先人の歴史が明らかにする真理です。私たちはどのような弾圧にも決然と立ち向かい、決して怯まないし屈することはないのです。

 

16日の一斉逮捕は明白に不当逮捕であり、政治活動に対する弾圧です。私たちはこのような警察の不当な振る舞いを一切認めることはできません。警視庁による違法な拘束と暴力は、安倍政権が推し進める憲法破壊、戦争準備と一体の、市民的権利すら無視した横暴です。私たちは安保法案反対・安倍政権打倒を掲げる一団体として警察の弾圧に対しても徹底的に抗議します。警視庁・東京地検・東京地裁は未だ釈放されていない6名を今すぐ不起訴処分で釈放せよ。

 

2015.9.20

 

学生ハンスト実行委員会
<救援カンパの呼びかけ>

9.16国会前弾圧の救援活動のためカンパを呼びかけます。救援に際しては、弁護士接見などで多額の費用が必要となります。
本日以降に振り込まれたお金は全て救援活動へ使わせていただきます。カンパの振込先は変更になるかもしれませんが、その場合は告知します。
何卒ご支援をよろしくお願いします。

振込先
(1)ゆうちょ銀行から振り込む場合
口座名:ハンストジッコウイインカイ
記号10090
番号96595451

(2)他銀行から振り込む場合
店名008(ゼロゼロハチ)
店番008
番号9659545

反弾圧情報コーナー 2015年8月

8月1日 警察庁で、人事異動が行われた。その一部を紹介する。生活安全局長に警視庁副総監から種谷良二が。警備局長に総括審議官の沖田芳樹が。外事情報部長に神奈川県警本部長の松本光弘が。官房審議官=東京オリンピック担当に警視庁警備部長の斎藤実が。警視庁の警視総監に警備局長の高橋清孝が。副総監に京都府警本部長の山下史雄が。さらに、原子力規制庁次長に警察大学校長の荻野徹が、それぞれ充てられた。

15日 アメリカの新聞「ニューヨークタイムズ」は、米国家安全保障局(NSA)による国内でのインターネット通信の傍受活動に、通信大手会社のAT&Tが長年にわたって「極めて協力的」だったと報じた。アメリカでは愛国者法に基づく傍受が時限立法で期限が切れた中、オバマ政権は「米国自由法」を新たに制定し、傍受を認めたものの一定の制限を課した。今後、大統領選での焦点になる可能性もある。

19日 大阪地裁(芦高源裁判長)で、少女への強姦と強制わいせつの罪で懲役12年が確定し、約3年半の服役後に被害証言が虚偽だったとして再審開始決定が出された70代男性の最新の初公判が開かれた。検察側は「無罪は明らかで虚偽を見抜けず誠に申し訳ない」と謝罪し即日結審した。10月16日の判決で無罪が言い渡される見込みだ。弁護側は取り調べた検事らの証人尋問を求めたが、却下された。

21日 東京地裁は、東京電力福島第一原発事故をめぐり、東電の元幹部3人が強制起訴されることになったことで、検察官役に石田正三郎、神山啓史、山内久光の3弁護士を選任した。

27日 欧州の国際特急列車タリスで起きたテロ事件を受けて、各国で鉄道でのテロ対策・安全確保が課題となっている。従来、欧州の鉄道は乗車時の手荷物検査はないが、これの見直しが始まりそうだ。

フランスでは、オランド大統領が「鉄道の安全確保は国の責任だ」と強調し、「すべての荷物を調べるのは難しいが、テロ防止のために抜き打ち検査は必要だ」。

スペインでは、2004年に191人が死亡した列車爆発テロを受け、国内の長距離路線で荷物検査を導入している。

ベルギーでは、事件後タリスの乗客への手荷物検査の実施や、駅施設などでの監視を強化する方針を示している。

27日 国会で民主党など野党側が提出した「人種差別撤廃施策推進法案」による、ヘイトスピーチ規制の法律化が問われているが、自公の与党側の消極姿勢で、論議が始まっていない。「ヘイトスピーチは許されない」ことでは与野党一致しているとのことだが、「表現の自由」を巡って溝が埋まらない。主要国では法整備が進められており、国連人種差別撤廃委員会は昨年8月、日本政府に対して人種差別禁止法を制定するとともに、ヘイトスピーチを規制するよう勧告している。

30日 大阪府寝屋川市の中学生2人が遺体で見つかった事件で、防犯(監視)カメラの映像が容疑者特定の決め手になったことが、話題になっている。カメラの映像を重視する捜査手法は定着しており、大阪府警では4月に「犯罪抑止戦略本部」を新設し、90人態勢でカメラの映像データを収集・解析する組織としている。警視庁が2009年に「捜査支援分析センター」と同様の組織。これらの監視カメラの需要は、2013年度で約1545億円の売り上げが推定されていて、年々拡大している。

31日 新年度予算の概算要求がまとまった。警察・治安対策では、来年5月に伊勢志摩サミットが開催されることから、警察庁分で156億6000万円。海上保安庁は警備機材の整備費などに11億8000万円が、特に挙げられている。これ以外にもさサミット対策としては外務省分に176億3000万円があげられ、首脳陣の移動のための防弾車の手配などが入っている。2008年の洞爺湖サミットでは予備費からの支出や補正予算での追加などで、外務省分で約255億円を超えており、今回のサミットの準備と警備対策では、相当な支出がなされるものと思われる。

また、安保法制の審議が進められる中で、自衛隊の装備拡大など軍事予算の伸びが目立つ。総額では過去最大の5兆911億円となったが、武器等の購入費の好年度以降での支払い分が4兆8815億円と積みあがっており、来年度以降の軍拡も前提とされることに。

国会審議から見えてきた安全保障関連法案の本質

7月16日、安全保障関連法案が衆議院で強行採決され、参議院での審議も大詰めを迎えつつある。政府側の説明は、様々な論点で二転三転したり、曖昧模糊な答弁に終始したりしている。特徴的な答弁は、「イスラーム・ステート」(IS)掃討作戦への後方支援について問いただされた際の、「政策的判断として軍事作戦を行う有志連合に参加する考えはない」、「法制度ができたとしても、要件が満たされれば必ず派遣するかといえばそうではない。その時々の政策判断がある」(安倍首相、衆議院平和安全法制特別委員会、5月28日)といったものだ。「××は法的に可能になるのか」という質問に、「××は現在はやる気はない」とはぐらかすのである。これでは、論議は深まりようがない。
だが、安保法整備の審議で、その本質が見えやすくなってきたことも確かである。
岸田外相は、8月26日の参議院平和安全法制特別委員会での答弁で、日本が自衛権の行使途中で集団安全保障措置に切り替わった場合のみ参加可能としてきた集団安全保障措置について、自衛権行使前でも参加可能になると説明した。具体的には、自衛権とは無関係に、「国連安保理決議あるいはそれに類するもの」を根拠に多国籍軍に弾薬輸送を含む後方支援という形で参戦するということだ。 国際平和支援法により、時限的な特別措置法で実施されたインド洋での給油活動などが恒久化されるのである。なお、「国連安保理決議あるいはそれに類するもの」という根拠付けが困難な場合でも、「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」(重要影響事態)を理由に、多国籍軍への後方支援を実施するつもりだと思われる。イラク戦争型有志同盟軍への後方支援も可能にするというわけだ。
また、安全保障関連法案の成立を前提に、防衛省が南スーダンPKOに派兵されている自衛隊の任務に駆け付け警護を加えることを検討していることが、参議院平和安全法制特別委員会で明らかになった。安全保障関連法案の国際平和協力法(PKO法)改悪部分が、法案成立後に最初に政策として実施されるというわけだ。南スーダンは、西はISの活動が活発化しているマグレブやサヘル・サハラにつながり、北はイスラム主義政権が支配するスーダンと対峙し、南はソマリアでの「テロとの戦い」の主力を担うケニアに接する。いわばアフリカにおける「テロとの戦い」のヘソだ。また、PKO法改悪により、NATO諸国軍がアフガニスタンで行ってきたような治安支援活動への参加も可能になる。
防衛省が8月18日に参議院平和安全法制特別委員会理事懇談会に提出した内部資料では、「任務遂行のために武器使用」を行うケースとして、PKOの駆け付け警護以外にも邦人救出が挙げられていた。自衛隊法改悪で実施可能にしようとしている邦人救出も、アルジェリア日揮プラント襲撃事件などを念頭に置いたものだ。
アフガニスタン─イラク戦争型多国籍軍・有志同盟軍への後方支援、大規模戦闘終了後の治安活動、危険性の高いPKOでの他国軍への駆け付け警護、邦人救出、全て「テロとの戦い」を想定したものである。安全保障関連法案とは、「対テロ戦争」参戦法なのだ。なお、盗聴法の拡大、共謀罪新設などは、それと表裏一体のものである。
前述の防衛省内部資料は、2015年4月版の「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)と安全保障関連法案に基づく対米協力の拡大も検討していた。このうち具体的な検討項目として目立つのは「南シナ海での平時の警戒監視」だと報じられている(東京新聞八月一九日朝刊)。これに関して、中谷防衛相は、国会審議では可能性を否定しないが、あいまいにしか説明してこなかった。だが、法案成立後にはやる気満々というわけだ。
安全保障関連法案の第一の本質が「対テロ戦争」参戦であるとすれな、第二の本質は、この対中抑止力強化である。『サンデー毎日』(2015年6月28日号)は、これに関する興味深い記事を掲載している。それは、6月2日に訪日したフィリッピンのベニグノ・アキノ三世大統領と安倍首相の間で日比の「訪問軍協定」(VFA)手行ける交渉入りの密約が交わされたというものである。この日比VFAができれば、自衛隊がフィリッピン国内の基地を一時使用できるようになる。豪比VFAと同様の内容ならば、自衛隊が日米地位協定で在日米軍が得ているような治外法権を手にすることができる。
ここで思い出して欲しいのが、武力攻撃事態法の存立危機事態の定義である。それは、「我が国と密接な関係にある国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される危険がある事態」というものだ。そして、この存立危機事態においては、日本が攻撃されていなくとも、集団的自衛権が行使できると政府は言っている。