戦争法阻止!国会前闘争が爆発  弾圧をはねのけ全員の釈放かちとる

9月19日未明、安倍は一連の戦争法案を参院本会議で強行採決した。
しかしこの戦後の歴史を大転換させる攻撃に人民の怒りが爆発した。
戦争法案絶対阻止の怒りの声が国会を取り巻き、連日連夜、国会周辺には、数万人のデモ隊が結集して鉄柵・機動隊車両で重警備する警察と対峙し、激しい実力攻防が闘われた。 国会周辺に張り巡らされた鉄柵は人民の怒りの爆発によってあちこちで引き倒され、機動隊は闘う隊列に襲いかかり暴力を振るいながら、多くの逮捕者・負傷者を出していった。
9月14日から18日にかけて連日のように逮捕者が出て、その数は20名に及んだ。
7月の3名、8月の2名と合わせるとこの間の国会前での逮捕者は総計25名となった。
救援連絡センターは、逮捕された仲間の関係者と連携しながら救援態勢をとり、弁護士の協力を得て、反撃の活動を行った。
今回の国会前の攻防では誰が逮捕されても不思議ではない状況があった。
逮捕された仲間を取り戻すために全力をあげて闘うのは、戦争法に反対する闘いと一体の闘いである。弾圧する国家権力と闘わずして、戦争に向かう安倍を先頭とする支配階級と対決することはできない。
かつての15年戦争は治安維持法と特高警察による治安弾圧下で遂行された。戦争に反対する勢力を投獄し虐殺することを通して、人民を戦争へと動員していくのだ。
弾圧に対しては反弾圧・反権力の闘いを組織し、共同して反撃することこそが重要だ。
また獄中・獄外を貫く完全黙秘-非転向の闘いについても、勾留が長引くから、黙秘すべきではないなどと黙秘を訴える救援連絡センターへの誹謗中傷が今回もくりかえされた。
完全黙秘は権力と闘うための最大・最強の武器であり、権力に打撃と敗北感を与える獄中闘争なのだ。今回、全員の釈放をかちとり、逮捕された仲間からの獄中体験談を聞きながら、ますますそのことは確信となっている。
全員がでっち上げ逮捕だ
9月14日から18日にかけての逮捕は、全員が公務執行妨害をでっち上げられての不当逮捕だった。
20名の逮捕者のうち救援連絡センターに弁選が入ったのは15日逮捕の2名と16日逮捕の8名、計10名である。
実際の逮捕状況は、ほぼ全員が機動隊員によって闘う隊列から引きはがされ、機動隊の部隊に引きずりこまれ、引き倒されて殴る蹴るの暴行をされて逮捕されている。1名は肋骨骨折の重傷で、他のほとんどの人も打撲や擦過傷などの負傷をしていた。断じて許してはならない。
取調の実態は事実関係を調べることもなく、「運動をやめろ」とか「自分の将来を考えろ」などの転向強要に終始したのである。
国会前で爆発した人民の闘いに危機感をもった権力が機動隊の暴力を行使して、闘いを圧殺しようとしたのが一連の弾圧だ。「公務」とは機動隊の暴力行使以外の何ものでもない。全員が公務執行妨害のでっち上げ逮捕である。
弾圧の意図は闘う団結を破壊し、国家に逆らう者をねらい打ち的に逮捕し、運動を分断し萎縮させようとするねらいであることは明白だ。
全員を分散留置
弁護士接見の妨害許すな
ほとんどが夜の逮捕であり、露骨な弁選妨害・接見妨害が行われた。まずは弁護士の接見で誰がどこの警察署に囚われているかの確認が早急の課題だった。
とりわけ16日の逮捕は夜の8~9時前後に集中し、13名全員が麹町署に連行された。ただちに救援連絡センターの弁護士が麹町署にかけつけ、主催の総がかり行動実の弁護士と一緒に接見を要求した。しかし麹町署は接見を要求する弁護士を深夜まで待たせ、13名を13の警察署に分散留置した上で、留置先の警察署で接見するように指示した。
全員の身柄が麹町署で長時間拘束されていたにもかかわらず、弁護士の接見を妨害し、弁護士には各警察署に移送したと嘘をついた。
逮捕された仲間は直ちに弁護士との接見を要求したにもかかわらず、警察は弁護士は来ていないと嘘をついた。
許せないことに不当逮捕に抗議し、弁護士との接見を要求した仲間を外から見えないように衝立の中に押し込め、警察官が数人がかりで暴行したのだ。
13名が留置先の警察に移送されたのは午前2時から3時ころで、救援連絡センターに弁護士選任の連絡が入ったのはそれからであった。明らかな接見妨害である。
国会闘争で相次ぐ逮捕
国会前での連続した闘いでは九月だけでも次のような逮捕があった。
9月14日、2名逮捕。センターとは別の弁護士がついて、16日に検事釈放。
9月15日、3名逮捕。うち2名はセンター弁選で10日間勾留後、25日に釈放されたが、2名とも逮捕時に暴行されており、1名は肋骨骨折の重症を負わされた。2名は取調を拒否して闘い抜いた。
他の1名はセンターとは別の弁護士がついて、詳細は不明。
9月16日、13名逮捕。うちセンター弁選は8名。13名全員が分散留置であり、留置先の警察から深夜に弁選が入る。ほぼ全員が機動隊員に引き倒されて足で蹴る、殴るの暴行をされ、負傷していた。「公務執行妨害」は完全なでっち上げである。
13名のうち、18日には7名が検事釈放。19日には6名が10日間勾留され、25日に釈放された。勾留されたうちの3名が取調を拒否し、2名は検察庁・裁判所への連行も拒否したため、車いすに縛り付けられて連行された。
9月17日、80歳の男性が一名逮捕されたが、センターとは別の弁護士がついていて、詳細は不明。
9月18日、60代女性がカッターナイフで鉄柵を縛り付けているロープを切ろうとしたとして逮捕。別の弁護士がついていた。
センターに弁選が入って、勾留が決定したのは15日逮捕の2名と16日逮捕の6名。計8名に対する救援活動が連日のように取り組まれた。
逮捕直後からの反撃戦
逮捕直後から、警視庁や麹町署への抗議行動と逮捕された仲間への激励行動が取り組まれ、国会前の闘争現場でも反弾圧の闘いへのカンパが訴えられた。
検察庁へ押送される日は検察庁弾劾と仲間への激励行動が取り組まれた。裁判所の勾留質問の日は裁判所入口で、仲間が押送されてくる車両に向けて激励行動を行った。
留置先の警察署への弾劾と仲間への激励行動も取り組まれた。これらは獄中で闘う仲間には大きな励ましとなり、勇気づけられたことが報告されている。
連日のように弁護士接見や差入れ、警察への抗議電話などの活動が続けられた。
獄中の仲間は完全黙秘の闘いを貫き、うち五名が完全黙秘の一環として取調を拒否して闘った。指紋採取と写真撮影を拒否した仲間もいたが、警察官が数人がかりで身体を押さえつけて無理やり指紋をとり、写真撮影を強行した。
検察や裁判所への連行を拒否する仲間に対して、警察は車いすに縛り付けて連行した。 取調の呼び出しにも応じず、房から出ることを拒否する闘いが広がっている。取調拒否の闘いに対して、今回は強制的に取調室に連行することはしていないが、弁護士や外からの抗議がなければ暴力的に連行することもありえた。獄中・獄外の連帯した闘いが重要である。
赤坂署は取調拒否、指紋採取拒否、写真撮影拒否をはじめ、警察官による指示に一切従わない仲間を6日間も「保護房」にぶち込むという拷問を行い、弁護士と救援の仲間は赤坂署への弾劾・抗議を行った。
獄中での暴行に対しては、直ちに獄外での弾劾行動や抗議電話の集中などで反撃しよう。 代用監獄撤廃・「保護房」撤廃を実現しよう。
不当な家宅捜索
今回の弾圧では9月21日から釈放当日の25日にかけて被疑者個人宅や現代社、シェアハウス「りべるたん」、三里塚の団結小屋など6か所に家宅捜索が強行された。
とりわけ「りべるたん」の家宅捜索は、警官がいきなり網戸をこじ開けて、窓から土足で侵入してきたのである。
捜索に当たって警察はマスコミ関係者を同伴し、捜索現場をテレビ放映させるなどして、「過激派」キャンペーンを行った。
今回の捜索の特徴はこれまでの捜索は早朝か午前中が多かったのだが、時間をずらして午後に捜索するケースが目立った。公安刑事が大勢の機動隊や制服警官を引き連れて、わざと周辺住民に知らせることも含めて捜索を行い、今回の弾圧が運動つぶしを目的としたものであることが明白となった。

りべるたんの窓から土足で侵入する公安刑事
りべるたんの窓から土足で侵入する公安刑事

勾留の不当性
16日逮捕の6名の勾留理由開示を統一公判としてやるよう弁護士は要求したが、裁判所は6名の統一公判を恐れて、2名の開示公判しか受けなかった。
9月25日に開かれた2名の仲間の勾留理由開示公判は、地裁の430号法廷という警備法廷でたった20名しか傍聴できない法廷だった。傍聴を制限されながらも被疑者・傍聴人・弁護士は一体となって、勾留を決定した裁判所を弾劾しぬいた。勾留決定した裁判官ではない有賀貞博裁判長が対応したが、弁護人の釈明要求には何一つ答えられないばかりか、拍手しただけで傍聴人を排除するなど、暴力的な訴訟指揮を乱発し、勾留の理由など何もないことが明白となった。
完全黙秘の闘いで
 全員の釈放かちとる
9月25日に取調拒否を含む完黙-非転向で闘いぬいた8名全員を奪還した。うち1名は少年だったが、家裁送致を阻止して、みんなと共に釈放をかちとった。
奪還された仲間たちは続々と救援連絡センターで合流し、再会を喜びながら、あらためて獄中・獄外が団結して完黙-非転向で闘えば、勝利できることを確認しあった。
特に学生や若いメンバーをねらいうち逮捕したことは、見せしめ的であり家族関係を利用しての運動からの切り離し目的であることがはっきりした。
警察は逮捕した仲間を運動から切り離し、密室である取調室で運動への不信感を煽り、転向させようと、さまざまな攻撃をしかけてくる。守りではなく、攻めの姿勢で権力と闘うことが完全黙秘の闘いの核心である。
今回の弾圧に対して取調拒否も含む完全黙秘-非転向の闘い、獄中-獄外の団結した力で勝利したことは、さらに権力と闘う団結を強め、これからの戦争法攻撃と闘う実践へとつながっていくこととなるだろう。
今回の弾圧との闘いで学んだことを多くの仲間に呼びかけていくために、報告集を作ろう、「救援ノート」の改訂版を作ろうとの声もあがっている。
反撃戦から次の闘いへ
一方で、逮捕された直後から、逮捕されたのは「過激派」であるとか、逮捕された側が悪いなどと、今回の弾圧に対して、警察と一体となって批判している勢力がいた。
主催者の一部には弾圧に抗議するコールをかき消すように別のコールで封じ込めようとする動きもあった。闘いの現場から特定の党派を排除しようとする動きもあった。それに対しては「警察と同じようなことをするな」とか「まるで自警団だ」という参加者からの抗議の声もあがった。
権力と闘わずして闘いを分断し、弾圧する側に共感を示して、逮捕された仲間を非難するなど絶対に許してはならない。
ネット上では、「救援連絡センターは過激派の支援団体だからセンターに弁選を入れるな」との誹謗中傷もあった。
今回の国会前弾圧で逮捕された仲間を奪還した力をさらに強化し、次の闘いへとつながていこう。反弾圧の砦として救援連絡センターを強化し、反弾圧の共同闘争を進めていこう。
各団体の抗議声明
今回の弾圧に対しては、多くの団体から抗議声明や反弾圧活動報告があがっている。
・学生ハンスト実行委員会 「9・16国会前弾圧に対する抗議声明」9月20日
・戦争反対9・16弾圧愛宕救援会 「国会前で弾圧された抗議者への救援を呼びかけます」9月20日
・辺野古リレー 「9・16国会前大弾圧を許さない!6名の即時釈放を」9月22日
・福岡市民救援会 「9・16国会前大弾圧を許さない!抗議声明」9月22日
・全学連(伍代委員長) 「9・15-16戦争法弾圧を徹底弾劾する!」9月23日
・戦争させない・九条壊すな!総がかり行動実行委員会 「安倍政権の暴走に抗議する市民を抑圧する不当逮捕を許さない」9月24日
・園良太 「9・16国会前大弾圧、25日に無事全員が釈放されました」
・「9・16被弾圧者の勾留理由開示裁判の傍聴記録」
以上はすべて救援連絡センターのホームページに紹介しているので、ぜひ読んでください。