映画『(東アジア反日武装戦線の)母たち』上映会

獄中監督・黒川芳正/1987年作品
映画『母たち』上映会
9月28日(土)17時
日本キリスト教会館4階
(東京都新宿区西早稲田2-3-1)
上映時間120分
参加費五〇〇円
主催:東アジア反日武装戦線への
死刑・重刑攻撃とたたかう支援連絡会議
問合先: tel 03-3812-45

根源へ 、もっと根源へ !
寺山修司は、映画『田園に死す』の中で母を殺そうとして果たせなかった。
寺山は「家出」を希求しつつも生涯を母ハツの影響下で過ごし、死してなお、
母子の遺骨は墓所の納骨棺に同居している。
映画『母たち』の主人公である「母たち」は、いずれも「家出」した(それも獄中
に)子どもたちは生まれ育った家庭のみならず、「日本」の歩みを根底から捉え
直す闘いに挑み、獄に囚われた。
子どもたちのひとり、黒川川芳正は「反日」という形で日本の根源を追求し、詩
を紡ぐ。その言葉は事実行為として世界に溢れ、帝国主義本国たる近代の擬制
「日本」と根源とを繋ぐ、淡くも鮮やかな虹の架け橋となった。
黒川は、本作で天皇は強権的家父長制の権化-厳父-のみならず、女性原
理の権化-慈母-でもあると喝破する。そして近代の擬制「母」の原像に囚われ
た母を解放し、生命力のシンボルとしての母の復権を求めて、獄中からメガホン
を執り、獄外に本作を贈った。
母の復権!それはとりもなおさず擬制日本的「母」を葬り、擬制「日本」、擬制
「天皇」を葬ることではなかったか。
寺山修司の母殺しは映画の中で失敗に終わった。
黒川の「母殺し」--それは未完の虹作戦遠映画『母たち』。
その結末は、未だ獄中に囚われている詩人にして監督・黒川芳正とお、これか
ら本作を観る私たちが、「日帝本国人としてしか生きられなかった」すべての人々
があ共有する。
獄中の詩人が見出した、根源への架け橋を渡る旅立ちだ。
(藤井 大地)

*支援連としては初の試みかもしれませんが、映画『母たち』の上映会を行いま
す。ニュープリントとなった『母たち』、すでに観たことのある方も、初見の方も、お
気軽にお集まり下さい。当日は、この映画の実際の製作にたずさわられた佐々木
健さんに、見所、撮影の苦労などを語っていただく予定です。